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司法 バックナンバー 1/3

いよいよ司法修習生も貸与制

平成22年11月に司法修習がはじまる修習生から、国が給与を支給する「給費制」が廃止されます。
 本来は、平成18年からのはずでしたが4年間延期されています。

 法曹資格取得を目指す個人のために「公費」を支給することを疑問視する声もありますし、現今の国家の財政危機、司法修習生の数が増えているということを考えれば、やむを得ないのかも知れません。

 弁護士会を中心に反対論も多いのですが、管轄する最高裁判所は「粛々と」貸与制度導入の手続きを進めています。

 「貸与制になれば負担が増し、貧乏人は法曹の道をあきらめなければいけなくなる」との指摘もありますが、私が司法試験に合格した昭和52年度の司法試験の平均合格者の年齢は29歳でしたから、当時から、よほど優秀か、あるいは、ある程度裕福な家庭に育っていないと、合格は難しいといわれていました。
 基本的には、そう変わるわけではないでしょう。

 ただ、法科大学院で奨学金を受けている司法修習生にとっては「痛い」でしょうね。

 理屈からすると、5年間据置期間がありますから、裁判官、検察官、弁護士になって稼げばいいだけのことです。
 裁判官、検察官に任官した人にとっては、5年間据置の無利子10年分割返済ですから、300万円の返済は難しくないでしょう。
 奨学金を受けていても、基本的に同じです。

 問題は弁護士になる人たちです。

 昔は「弁護士になって多額の収入を得て、税金を多く納めて『借り』は返す」と威勢のいいことを言っている人がいました。
 現実に、その昔弁護士になった人は、おおむね、十二分に「おつり」がくるほど納税しています。

 「弁護士になって多額の収入を得て、税金を多く納めて『借り』は返す」と威勢のいいことを言える自身のある司法修習生はいるのでしょうか。

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