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トリビア バックナンバー 1/2

停戦・休戦・終戦

韓国と北朝鮮との境界線は「国境」ではなく「軍事境界線」です。

 韓国と北朝鮮を隔てる「軍事境界線」は、南北とも幅2kmにわたって非武装地帯(DMZ。DeMilitarized Zone)となっています。
 板門店は、ソウルの北62kmの地点にある会議場を中心に800メートル四方の土地が共同警備区域に指定され、両国の軍隊が警備をしています。
 
 ソウルのオプショナルツアーとして、板門店ツアー、DMZツアーは定番です。
 ちなみに、DMZ=ディー・エム・ズィーを「キムチ」と聞き間違える日本人がいます。
 ツアーで行くと「どこに行くのか」把握していない人がいるものです。

 下の地図を見てください。
 赤が北朝鮮、緑が韓国(国連軍)です。
 国連軍は、奇襲で釜山のみとなるまで押されますが、マッカーサーの仁川上陸作戦で反抗に出て、ほぼ全土を制圧します。
 しかし、中華人民共和国が「義勇兵」を送り出して、ほぼ38度線で休戦になりました。
 中国兵は、殺しても殺しても、兵の死体をふみつけて攻撃してきて、米軍としても「この連中とは、やってられん」ということで休戦になったそうです。

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 ほぼ北緯38度線ですが、38度線より南の「開城(けそん)市」は北朝鮮に取り込まれています。
 開城は、朝鮮半島の最初の統一国家であった高麗王朝の首都ですから、本来は、「とられては」ならない地域のはずですが、仕方がないでしょう。


 なお、戦争が「終わる」のは3段階のステップを踏みます。

 停戦は、軍内部で前線に「戦闘行為を停止せよ」と命令して攻撃をやめるという段階です。
 当事者(国・組織)の双方が、停戦に合意して戦闘状態を終わらせるのが休戦です。
 当事者が、平和条約を結んで戦争を終結させ、国交を回復するのが終戦です。

 現実には、「停戦」「休戦」「終戦」の違いは「あいまい」です。

 ボツダム宣言受諾が「停戦」、ミズリー艦上での降伏文書に調印が「休戦」、サンフランシスコ講和条約発効が「終戦」です。

 日本とソ連との間には、日ソ共同宣言しかなく、平和条約が締結されていませんが、「終戦」であることに間違いはありません。
 日本が、ソ連、ロシアとの間で「平和条約」を締結しないのは、国際法上、平和条約を締結してしまうと、領土は「実行支配」している「国」のものに「確定」するからです。

 韓国と北朝鮮とは、厳密にいえば、「休戦」状態にあります。
 韓国人も、やはり「平和ボケ」していることに間違いないでしょう。

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