交通事故
被害者に重い過失のある場合
一般的には、本来の加害者に対する賠償請求しうる金額より、自賠責保険の金額の方が安い場合が圧倒的に多く、任意保険会社が、一括支払いをして、自賠責保険会社と、自賠責保険分は精算という扱いが多いようです。
しかし、自賠責で損害を補填してもらえば十分、任意保険会社に請求するだけ無駄というケースがあります。
死亡事故の場合、自賠責では3000万円まで保険金が出ます。
通常、本来の加害者に対する賠償請求しうる金額は3000万円ではおさまりません。
しかし、被害者の過失が大きい場合でも、自賠責保険の方は、被害者の過失が、70%以上80%未満は2割減、80%以上90%未満は3割減、90%以上100%未満は4割減、100%になってはじめて無責となる仕組みとなっています。
例えば、被害者の過失が全くないと仮定して、本来の加害者に対する賠償請求しうる金額が5000万円の事故だったとします。
被害者に75%の過失がある場合、本来の加害者に対する賠償請求しうる金額は、5000万円×0.25=1250万円にしかなりませんが、自賠責保険は、3000万円×0.8=2400万円もらえることになります。
このような場合、さっさと、自賠責保険(厳密には、被害者が請求した場合は「保険金」ではなく「損害賠償額」)をもらって終わりにするのが正解です。
弁護士費用も、自賠責保険の被害者請求の方が、ずっと安くなります。