交通事故
自転車運転と過失
「警察庁・自転車安全運転の推進」をご覧下さい。
自転車と歩行者の事故が増加しています。
歩道で自転車と歩行者が衝突して事故が起きた場合、自転車運転者に大きな過失割合が認められることに注意が必要です。
なぜ、歩道上での歩行者と自転車の衝突事故の場合、自転車運転者に大きな過失割合が認められるのでしょうか。
道路交通法に定めがあるからです。
道路交通法上、自転車は「車両」の一種です。
歩道と車道の区別があるところでは車道を通行するのが原則です。
なお、車道では原則として左側端を通行しなければなりません。
例外としては、
普通自転車は、歩道通行可を示す標識等があるとき。
普通自転車の運転者が児童、幼児、70歳以上の者、身体障害者であるとき。
車道又は交通の状況に照らして自転車の通行の安全を確保するため歩道を通行することがやむを得ないと認められるとき。ただし、警察官等が、歩行者の安全を確保するために必要があると認めて歩道を通行してはならない旨を指示したときは、指示に従がわなければなりません。
また、自転車が歩道を通行する場合は、車道寄りの部分を徐行しなければなりませんし、歩行者の通行を妨げるような場合は一時停止しなければなりません。
自動車やバイク、原動機付自転車を運転するには、免許が必要です。
免許を取るためには、道路交通法を知っていなければなりません。
自転車の運転には免許は要りません。
道路交通法を知っていなくても自転車走行はできますが、「道路交通法を知らない」という弁解はとおりません。
歩道上で、歩行者と自転車が衝突したとします。
歩行者が前進、自転車が向かい側から衝突という事故態様でしたら、原則、過失割合は、歩行者が0%、自転車が100%です。
また、歩行者が前進、自転車が追突という事故態様の場合も、原則、過失割合は、歩行者が0%、自転車が100%です。
さらに、歩行者が佇立(立ったまま)、そこに自転車が衝突という事故態様でも、原則、過失割合は、歩行者が0%、自転車が100%です。
歩行者が、ビルの出入口などから飛び出してきたという場合になってはじめて、過失割合は、歩行者が0%~10%、自転車が90%~100%となります。
原則自転車は歩道を走れない、また、自転車が歩道を通行する場合は、車道寄りの部分を徐行しなければならず、歩行者の通行を妨げるような場合は一時停止しなければならないという法律の定めですから、当然といえば当然です。
歩行者は、自動車や自転車と違い、将棋の「金」のような動きをします。急に立止まったり、左右や斜め前方左右に動いたからといって責めるわけにはいきません。
「車道寄りの部分を徐行」とありますが、「徐行」とは、何かあればすぐ止まれるスピードですから、自転車が100%悪いというのが原則です。また、「歩行者の通行を妨げるような場合は一時停止しなければならない」ということですから、やはり、自転車が100%悪いというのが原則です。
歩行者が、ビルの出入口などから飛び出してきたという場合、歩道が狭ければともかく、飛び出してくるのは、車道から最も離れた場所です。自転車は「車道寄りの部分」を「徐行」ですから、車道から離れた部分を自転車で走行している場合、「飛び出してきた」ことも言い訳になりません。飛び出しでも自転車が100%悪いということもありますね。
問題は、自転車が自賠責保険に入っていないということでしょう。
被害者も迷惑ですが、加害者も、経済的負担が大きいですね。
個人賠償責任保険は、自転車運転時の事故もカバーしてくれます。
私も、個人賠償責任保険に加入していますが、保険料は月額200円です。
月額200円で「マンションで階下に水漏れをした」「飼い犬が人に噛みついてケガをさせた」「買い物に行った際、商品を落として壊してしまった」「スキー・スノボーをしていて人にケガをさせた」などの場合も保障されます。