債務(借金)問題
債務・借金
弁護士の「ノウハウ」
平成17年7月19日の最高裁判所判決がでるまで「過払い金返還請求」はなかったのでしょうか。
そうではありません。
マスコミなどに報道されていないだけで、弁護士が「過払い金返還請求」をしていたのは、私が裁判官当時からありましたし、私も、ずっと前から、返還請求の示談や訴訟をしていました。
それまでは、普通の弁護士さんに依頼した場合、業者が古い取引履歴を提出しなかったため、物持ちがよく、古い契約書や借入返済のレシートをもっている債務者だけが、元金大幅減額や過払い金の請求の「恩恵」にあずかることができました。
私だけではないと思いますが、業者から「取引開始日」を、業者に怪しまれずに知ることのできるノウハウを持っている弁護士に依頼していた人は、元金大幅減額や過払い金の請求の「恩恵」にあずかることができました。
私が考案し利用していた、業者から「取引開始日」を、業者に怪しまれずに知ることのできる方法は以下のとおりでした。
1 大手業者の各支店のオペレータが使用するコンピュータ端末のディスプレイには、債務者の「氏名」「住所」「生年月日」「現在貸付高」などのほかに「取引開始時」が表示されていました。
2 弁護士が受任したことがわかってからでは、業者のガードが堅くなりますので債務者本人に電話させます。
いくらなんでも、債務者が、各支店のオペレータに「私の取引開始日はいつでしょう」という質問をするのは唐突すぎます。不審に思われ答えてもらえません。
3 そこで債務者に「私の親(兄、姉、夫、子など)が、私がサラ金から借金をしているということを聞いて、一括返済してくれると言ってくれている」「来週の月曜に一括返済するとするといくらになるのか教えてほしい」「ただ、私の親(兄、姉、夫、子など)は『いつから借金をしているのか』としつこく聞いてくる。正直に答えないと援助してもらえないので教えてほしい」と言わせるのです。
もちろん録音テープをとっています。
4 債務者が「どれだけ上手に言えるのか」の問題はありますが「スムーズ」に聞けた場合、ほぼ100%の率で「取引開始日」を聞き出すことができました。
5 あとは、弁護士が「御社との取引開始日は平成(昭和)○年○月○日ですから、それ以降の取引履歴を送付下さい」と受任通知を出すだけです。
業者は、各支店のオペレータから情報を仕入れたなどということは知りませんから、古い契約書や借入返済のレシートをもっていると思いこんで、最初からの取引履歴が送られてきます。
「嘘も方便」ですし、「サラ金業者」が「これ以前の貸付はない」という「嘘」をつくよりましでしょう。不当利得ですから、正義は100%こちらにあります。
ちなみに、つくづく思ったのは「多重債務者は、嘘をつくのは上手だ」ということです。
最初は「尻込み」していた依頼者も、テープがまわると、あたかも「明日にでも本当に一括返済できるかのように」「流暢に」話し始めます。各支店のオペレータも、すっかり信じ込んで「取引開始日」を教えてくれました。
現在は、普通の大手・中堅業者は、正直に、保存されている取引履歴は提出するようになりましたし、最高裁判所の判例に従おうとしない三和ファイナンスなど一部の悪質な業者は、オペレータが使用するコンピュータ端末に「最初の取引開始日」を表示させなくしました。
なお、私がノウハウを公開しなかった理由は、私の「友人の友人が」サラ金の顧問をしているからです。
親しい弁護士さんには、お教えしています。
なお「取引履歴」に関して、私と同じ、あるいは、私より上手なノウハウをもっていた弁護士さんがおられるのかもしれません。
弁護士は、経験を積むと、現実の事件を通じて、いろいろな「知恵」「ノウハウ」を修得していくものです。
普通は「とっておきの」「ノウハウ」は公表しません。自分の依頼者だけが得をするように隠しておきます。
私がホームページに記載してある「ノウハウ」は、ある程度「公知」のものだけです。相談あるいは事件を依頼されれば、お教えできるかもしれません。