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債務(借金)問題

債務・借金

個人民事再生計画の変更

個人民事再生計画の変更手続きの申立てを行い、無事認可決定がおりた後は、それぞれの債権者への返済が始まります。

 病気で長期間入院することになったり、会社をリストラされたり、というようなやむをえない事情が、民事再生の認可決定後に発生することもありますね。

 そこで、個人民事再生を申立てた再生債務者の責任によらない事情により、債権者への支払いが著しく困難になってしまった場合に、変更手続きをとることが認められています。具体的には、それぞれの債権者への支払いの期間を延長してもらうという変更です。
 支払い期間を延長してもらうためには、個人民事再生を申立てた裁判所に、再生計画変更の申立てを行い、債権者の意見を聞いたうえで、裁判官が支払い期間を延長するべきだと判断した場合に、認可決定を下されます。

 延長してもらえるのは、もともとの再生計画で定めていた期限から2年を超えない期間に限られています。

病気で長期間入院することになったり、会社をリストラされたりという正当な理由がないと無理です。
 単に残業が少なくなった、ボーナスがなくなった、定年が来たという理由では認められません。

民事再生法第234条
1項 小規模個人再生においては、再生計画認可の決定があった後やむを得ない事由で再生計画を遂行することが著しく困難となったときは、再生債務者の申立てにより、再生計画で定められた債務の期限を延長することができる。この場合においては、変更後の債務の最終の期限は、再生計画で定められた債務の最終の期限から2年を超えない範囲で定めなければならない。
2項  前項の規定により再生計画の変更の申立てがあった場合には、再生計画案の提出があった場合の手続に関する規定を準用する。


 なお、再生計画を変更して支払い期間を延長したとしても、返済を続けていくことが難しい場合は、残債務の支払を免除してもらうハードシップ免責という制度を利用するという方法もあります。
 「ハードシップ」は「固い船」ではなく「困苦」「耐えがたいほどの苦しい生活」という意味です。

 ハードシップ免責とは、一定の厳格な要件のもとに破産しないで残債務の免責が受けられる制度です。
1 債務者が、その責めに帰することができない事由により、再生計画を遂行することがきわめて困難になったこと
2 再生計画の変更をすることもきわめて困難であること(変更が可能なら、個人民事再生計画の変更手続きです)
3 再生計画によって変更された後の各再生債権に対して、それぞれ4分の3以上の額の弁済を終えていること
4 本来は債務の減免やその他権利に、影響が及ばない各請求権に対して(租税・故意による損害賠償・婚姻費用)、それぞれ4分の3以上の額の弁済を終えていること

 「債務者が、その責めに帰することができない事由により、再生計画を遂行することがきわめて困難になった」とは、病気で長期間入院することになり職場復帰は見込めない、あるいは、会社をリストラされたが、再就職のために十分努力をしたのにもかかわらず再就職ができないなど、いっそうの厳格な要件を満たさなければなりません。

なお、大阪地方裁判所では、どちらも、例は多くないとのことです。
 本来「守れる」再生計画を立てましょう。

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