身近な法律問題
おとり捜査
おとり捜査とは、警察官など捜査官が、身分を隠して、購入するなどの手続きをして、法律違反であることが確認されれば、捜索差押えや逮捕をする捜査方法です。
通常、被害者が被害届を出したり、告訴をしたりすることが想定されないような犯罪についておとり捜査がなされます。
警察は、インターネット上で違法に販売されている、わいせつ画像、児童ポルノ画像や偽ブランド品などについて、警察官が客を装って買い取り、検挙に結び付けるおとり捜査の手法を積極的に推進しています。
わいせつ画像は刑法違反、児童ポルノ画像販売は、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反、偽ブランド品の販売は商標法違反です。
もちろん、わいせつ画像、児童ポルノ画像や偽ブランド品などの購入自体は違法ではありませんし、売り手側の販売意思は明示されており、警察官の行為によって犯罪が誘発される手法ではありませんから、完全に合法です。
なお、ダフ屋(迷惑条例)、つきまといによる売春勧誘(売春防止法)などの現行犯逮捕は、警察官で、調書も「おとり捜査にあたった」警察官の職務が明記されたものが出てきます。ダフ屋から単純に買っても、売春婦につきまとわれても犯罪にはなりません。
ちなみに、麻薬犯罪については、日本でもおとり捜査が明文で認められています。
麻薬及び向精神薬取締法に、以下のような規定があります。
「58条 麻薬取締官及び麻薬取締員は、麻薬に関する犯罪の捜査にあたり、厚生労働大臣の許可を受けて、この法律の規定にかかわらず、何人からも麻薬を譲り受けることができる」
つまり、本来は、麻薬の購入は犯罪なのですが、麻薬捜査官が構成労働大臣の認可を受け捜査する場合、麻薬の譲り受けは合法で、譲渡した犯人だけを処罰することができます。
ネット詐欺などの犯罪、弁護士法違反(行政書士・司法書士を含む非弁行為)を、おとり捜査で、厳しく取り締まってほしいですね。
インターネットの広告でいくらでもでていますし、被害者は犯罪にはなりませんから、おとり捜査は十分可能です。
相当数の被害者がいると思います。