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2015年~2017年バックナンバー

合筆

 複数筆の土地を1筆の土地にする手続きを合筆(「がっぴつ」「ごうひつ」)と言います。
 
 弁護士の仕事をしていると、土地の分筆はよく見ます。
 
 もともと、明治時代に登記簿が作成されたときの土地、特に住宅地については、一般に大きすぎますから、分筆して適当なサイズに分筆して、売却したりします。
 
 分筆は、合筆に比べて目的がはっきりしていますし、必要性がありますから、多いのは当然です。
 
 これに対し、合筆は、あまり多くありません。
メリットは知れています。
 
 4筆も5筆もこま切れになっている場合、土地を1つに合筆しておくと、以下の手続きの時、手数が省けますし、手数料も少なくてすみます。
(1)抵当権などの担保を設定する時
(2)土地を売却したり、土地の上に建物を建てる時
(3)農地(田や畑)を農地以外に変えるとき
(4)土地地の境界を確定させる時
 
 合筆のハードルは結構高いです。
 
 次のような場合には合筆できません。
(1)互いに接続していない土地
(2)地目が異なる土地
(3)地番区域が異なる土地
(4)所有者が異なる土地
(5)所有者の持分が異なる土地
(6)所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地
 
 なお、土地についての遺言を作成してから、土地の売買をするのはもとより自由です。
 
 しかし、遺言を作成したあとに土地を合筆した場合、ちゃんと、現在の権利関係にあわせて遺言を残しておいてくれればよいのですが、そうでない場合、かなり相続手続きが面倒になります。
 
 また、遺言を作成したあとに土地を合筆し、さらに分筆などをしたのちの遺言が、遺言能力なしという理由などで無効になった場合、相続手続きがちゃんとできるのか途方に暮れるというケースがあります。
 
 遺言をするなら、少しの手数料を惜しんで合筆せず、ありのままにしてもらうのがありがたいですね。
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