2015年~2017年バックナンバー
元首の誕生日と祝日
平成31年(2019年)4月30日をもって「平成」は終わります。
今上天皇陛下の誕生日は12月23日で、皇太子殿下の誕生日は2月23日ですから、2019年は、天皇誕生日がないことになります。
歴代天皇のうち、崩御後も、祝日として残っているのは、明治天皇と昭和天皇です。
明治天皇誕生日は、11月3日の文化の日です。
文化の日は「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨としています。
昭和21年に日本国憲法が公布された日であり、日本国憲法は、公布から半年後の昭和22年5月3日に施行されたため、5月3日も憲法記念日として国民の祝日となっています。
文化の日は、当時の国会答弁をみると、明治節に憲法公布の日をあわせたとも考えられれています。
明治節は、昭和前期の日本における祝祭日で、明治天皇陛下の誕生日です。
明治天皇が名君とされ近代日本の礎を築いたという功績を偲び、祝祭日に設定され、占領下ですから、おおっぴらに「明治天皇陛下誕生日」とはしにくかったので、憲法発効を5月3日に持ってきて「ちょうど半年前」を「文化の日」とした経緯です。
昭和天皇誕生日は、4月29日の昭和の日です。
当初は「みどりの日」と読んでいました。
それまでの天皇誕生日である4月29日を「生物学者であり自然を愛した昭和天皇をしのぶ日」として「みどりの日」とすることとなりました。
ただ、多くの国民の要望があり、平成17年に国会で「国民の祝日に関する法律」が改正され、平成19年から、「みどりの日」を「昭和の日」とすることになりました。
ということは、大正天皇の天皇誕生日は、祝日ではなくなったということですね。
大正は、1912年7月30日から1926年12月25日と短いことも影響しているかと思います。
あとは、今上天皇陛下の誕生日である12月23日が、祝日として残るかどうかとことになります。
弁護士をしていると、今上天皇陛下の誕生日が12月23日ということで、和解のかき入れ時なのに、事件の期日が入りにくくなります。
めでたいことなのですが、他の業種でも、同じように思っている人も多いかと思います。
今年(平成29年)は、土曜日ですから、影響はありません。
来年(平成30年)は、日曜日ですから、24日が休みになってしまいます。
できたら、祝日として残ってほしくはないのですが、今上陛下の貢献からすると、何らかの形で祝日として残る可能性の方が高いでしょう。
当初は、「平成の日」ではなく、何らかの名前にして、いずれ「平成の日」とするような気がします。
ちにみに、共和国でも、アメリカの場合、初代大統領ジョージ・ワシントン(2月22日)、第16代大統領エイブラハム・リンカーン(2月12日)の誕生日と複合する形で、「大統領の誕生日」として、2月の第3月が祝祭日になっています。