2015年~2017年バックナンバー
日本の戸籍
私自身は、国会の裁量の範囲内であると思いますし、どこが憲法違反なのかという考えですが、裁判官15人中5人の反対意見があったということ自体が不思議なくらいです。
いずれ、変わるかも知れませんが・・
嫡出でない子の相続分を、嫡出の子の2分の1とする民法の規定を違憲とした最高裁判所平成25年9月4日決定などと違い、弁護士としての仕事に関係はなさそうです。
そう考えてみると、現在の戸籍は、筆頭者の欄にのみ「氏(姓)」と「名」が記載されていて、各人の欄には「名」のみが記載されています。
戦後の民法改正前の戸籍には「戸主」という欄があり、「戸主」のみ「氏(姓)」と「名」が記載されていて、その他の人の欄には「名」のみが記載されています。
夫、妻、長男、長女ら子だけではなく、戸主、祖母、母、弟、叔父、叔父妻、従弟、従妹、妻、長男、長女ら子が一緒に入った戸籍もあります。
戸籍の記載欄からして、間違いなく夫婦は同姓ですね。
子も同姓ということになります。
夫婦の姓が違うと、子の姓はどうなるのかという問題が大きそうです。
ただ、夫婦が、必ず同じ姓でなければならないという先進国は、日本以外にないようですね。
そう考えれば、夫婦の姓が同一でなければならないという必然性はなさそうです。
それにしても、憲法に違反するかどうかの問題かという気がします。
日本の場合、戸籍制度があるおかげで、相続人を探すのは難しくありません。
よくできています。
ある人が死亡して、遺産分割の代理人になるとします。
遺言がなければ、法定相続人が誰かということの確認をしなければなりません。
遺言があっても、すべての財産について、誰が相続するということが明記されていなければ(記載漏れがあった場合は)、やはり、法定相続人が誰かということの確認をしなければなりません。
私自身は、現在、韓国籍・朝鮮籍の方などの相続事件は扱っていません。
関係者がすべて日本人ということを前提に話をします。
ときおり、空襲のため、戸籍が滅失ということもありますが、戸籍が保存されていないということは、そこから先を探す必要はない=「不存在」ということになります。
そのような例外を除き、ほぼ例外なく、被相続人が出生当時から、死亡するまでの戸籍謄本、原戸籍謄本、除籍謄本がとれます。
また、戸籍の附表には、住所が記載されていますから、完全な相続関係図が書けるとともに、相続人の住所がかわります。
日本の戸籍制度はよくできていますね。
ところで、夫婦別姓に戻り、夫婦が、必ず同じ姓でなければならないという先進国は、日本以外にないと記載しましたが、墓はどうするのでしょう。
私の家は浄土宗ですが、普通よく見るのは、「○○家の墓」「○○家代々の墓」で、例えば「西野家の墓」「西野家代々の墓」です。
夫婦別姓となったら、別姓を選択した人の墓はどうするのでしょう。
考えていると夜も眠れない?