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雑記帳

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相続した実家をそのままにした人が払う「大きすぎる代償」

 子が都会に出て行って就職するなどして、誰も住まなくなった実家を放置しておくとどうなるのでしょうか。相続登記は義務ですから、履行されたとして話を進めます。

 人の管理が行き届いていない建物は、閉めっぱなしにすることで湿気がこもり、カビが生えたり、内装材が腐食したりするなどして全体的に傷んでいきます。害虫も発生しやすくなるでしょう。建物が傷むとそのままでは使えないため、人に貸すときは補修などの費用がかかったり、売るときには価値が下がったりするなどのデメリットも生じます。
 庭のある戸建てなら、庭の草木が生い茂って隣家や道路にまではみ出せば近隣にも迷惑をかけることが予想されます。

 見た目の悪化のみならず、外壁が剥がれて落下して通行人にケガをさせるなど、近隣や通行人に実害を与えてしまうリスクもあるでしょう。
 万が一そのようなことが起こってしまったら、家をちゃんと管理していなかったのが原因として、損害賠償を請求される可能性もあります。

 古くなった家をそのままにしておけば、漏電や配線などから出火する可能性も高まります。
 火災保険に入っていたとしてもあてにならないそうです。火災保険は「人が住んでいる家(居住用)」を対象とした契約内容が中心のため、何か起きた際に補償の対象外になる可能性が高いからだそうです。
 万一、空き家になった実家で火災が起きて近隣に延焼したら、名義人(所有者。未分割の場合は法定相続人)は重過失が認められると損害賠償責任を負うとされています。
 令和7年11月18日に起こった「大分市佐賀関の大規模火災」では、187棟もの建物が被害を受けました。火災原因は特定されていないものの、木造住宅密集地帯であったことに加え、高齢化による空き家率の高さが延焼につながったのではないかと推察されています。

 空き家のまま放置すると、税金が増える可能性もあります。
 平成26年に「空家法」(空家等対策の推進に関する特別措置法)が制定されました。 自治体はそのまま放置すると倒壊の恐れなどがあり、周囲に悪影響を及ぼす空き家を「特定空家」として、指導・勧告を行えます。
 さらに令和5年には「空家法」が改正され、「特定空家」の予備軍である管理が不十分な空き家を「管理不全空家」とし、こちらも指導・勧告の対象となりました。

 「特定空家」や「管理不全空家」に指定され、自治体からの助言・指導に従わないと、勧告を受けることになり、税金の軽減(住宅用地の特例)が解除されます。
 居住用の家の土地にかかる税金は更地などの土地代に比べて安くなっていますが、土地の固定資産税の優遇(6分の1)が解除され、実質税金が6倍に跳ね上がります。

 たとえその家に住んでいなくても、不動産の所有者には固定資産税や都市計画税がかかります。マンションなら管理費や修繕積立金の支払いも必要です。

 実家じまいをすると決めても、「住む」準備をしたり、「貸す」「売る」ために入居者や購入者を待っていたりすると、一時的に空き家の期間が発生します。
 誰も住まなくなったら、電気・ガス・水道を止めなくてはと考えるかもしれませんが、電気と水道はそのままにしたほうが賢明です。
 電気と水道を解約すると、照明や掃除機などが使えなくなり、水が出ないとトイレを使えず手も洗えず掃除にも支障が出ます。
 ガスについては火災のリスクを考えると、止めた方がいいと言えます。


西野法律事務所
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