雑記帳
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役員の「賠償責任保険」加入、10年で3倍に 物言う株主やサイバー攻撃など責任問われる場面増え
会社役員賠償責任保険という保険商品があります。
役員個人が業務を巡って損害賠償請求を受けた際の賠償金や訴訟費用などを補償する保険のことです。一般には、企業が保険料を負担します。
株主が経営責任を追及する株主代表訴訟のほか、取引先や金融機関など第三者からの訴訟も対象となります。
会社役員賠償責任保険への加入が増えているそうです。
アクティビスト(物言う株主)の存在感の高まりや、相次ぐサイバー攻撃など経営環境の変化に伴い、加入件数はこの10年で約3倍となったそうです。
企業の成長投資を後押ししたい政府も、取締役の賠償責任に一定の上限を設けるなど、過度なリスクが経営判断の重荷とならない制度の検討を進めています。
平成7年に発覚した大和銀行ニューヨーク支店の巨額損失事件を巡り、同行の株主が当時の取締役ら49人に対して、損失した約11億ドルと捜査当局に支払った罰金など3億5000万ドルの総額14億5000万ドル(当時のレートで1550億円)を賠償する よう求めた株主代表訴訟が提起されました。
平成12年9月20日に大阪地裁で判決がありました。裁判所は、株主側の訴えを一部認め、当時ニューヨーク支店長だった元副頭取に単独で5億3000ドル(約567億円)を、また、ニューヨーク支店長を含む現・元役員ら11人に計約2億4500万ドル(約262億円)を支払うよう命じました。
裁判長は、私と同期の池田光宏裁判官でした。
もっとも、大阪高裁では、旧経営陣ら4名が、大和銀行(当時)に対して総額2億5000万円の解決金を支払い、残りの請求放棄という和解でした。
現実に無理ですよね。しかし、4名で総額2億5000万円しか支払えないというのも、お粗末な話です。
会社役員賠償責任保険に話を戻して、読売新聞の取材に基づく集計によりますと、大手損害保険4社(東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険)の会社役員賠償責任保険への平成7年度の加入件数は計1万2439件と、10年前の平成27年度の計3947件から伸びました。
大手4社の25年度の収入保険料は176億円で、1件当たりの保険料は約141万円ほどの計算です。ただ、保険料は補償内容や限度額、業種、保険期間などを踏まえて企業ごとに決められるため、年間数十万円~数千万円程度と幅は広いといわれています。
賠償金額が巨額になりやすい大企業は大半が加入していますが、保険料負担を敬遠する向きが強い中小企業の加入は1割未満にとどまるとみられています。
保険加入が増えたきっかけは、企業統治を巡る制度改革だ。金融庁と東京証券取引所は平成27年6月、株主の権利や取締役会の責務などを定めたコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)の適用を開始しました。
一方、経済産業省が、平成27年7月、それまで役員個人が一部負担していた保険料について企業が全額負担できるとの解釈を示したことで、企業による加入が増えました。
さらに、令和4年の東証市場区分再編では、プライム市場の上場企業を中心に社外取締役比率の引上げが求められました。企業は優秀な社外取締役を招きやすくするため、保険加入を加速させました。
東京電力福島第一原発事故を巡る株主代表訴訟では、平成4年に東京地裁が東電の旧経営陣4人に計13兆円超の支払いが命じられましたが、さすがに、令和7年6月に東京高裁が賠償命令を取消しましたが、経営者が巨額の賠償リスクにさらされていることが鮮明になりました。
最近ではサイバー攻撃や情報漏えいへの対応でも、経営陣の責任が問われる場面が増えつつあり、保険会社の担当者は「経営判断だけでなく、リスク管理や内部統制まで役員の責任として見られる時代になった」と話しています。
国も対応に乗出しています。
政府内には「前向きな投資や企業買収にも尻込みする経営者が増えれば、日本経済の成長もおぼつかない」といった声もあります。
会社法を改正し、重大な過失がない場合などに限り、現状では社外取締役などに限られる損害賠償責任の上限を取締役にも設ける方向です。
法改正について議論する法務省の法制審議会では「現在の経営責任は過重」「優秀な経営人材の確保を促す観点から必要」との賛成意見が出ていますが、「抑止機能を制限することで安易な経営判断を招く」といった慎重な見方もあります。
役員個人が業務を巡って損害賠償請求を受けた際の賠償金や訴訟費用などを補償する保険のことです。一般には、企業が保険料を負担します。
株主が経営責任を追及する株主代表訴訟のほか、取引先や金融機関など第三者からの訴訟も対象となります。
会社役員賠償責任保険への加入が増えているそうです。
アクティビスト(物言う株主)の存在感の高まりや、相次ぐサイバー攻撃など経営環境の変化に伴い、加入件数はこの10年で約3倍となったそうです。
企業の成長投資を後押ししたい政府も、取締役の賠償責任に一定の上限を設けるなど、過度なリスクが経営判断の重荷とならない制度の検討を進めています。
平成7年に発覚した大和銀行ニューヨーク支店の巨額損失事件を巡り、同行の株主が当時の取締役ら49人に対して、損失した約11億ドルと捜査当局に支払った罰金など3億5000万ドルの総額14億5000万ドル(当時のレートで1550億円)を賠償する よう求めた株主代表訴訟が提起されました。
平成12年9月20日に大阪地裁で判決がありました。裁判所は、株主側の訴えを一部認め、当時ニューヨーク支店長だった元副頭取に単独で5億3000ドル(約567億円)を、また、ニューヨーク支店長を含む現・元役員ら11人に計約2億4500万ドル(約262億円)を支払うよう命じました。
裁判長は、私と同期の池田光宏裁判官でした。
もっとも、大阪高裁では、旧経営陣ら4名が、大和銀行(当時)に対して総額2億5000万円の解決金を支払い、残りの請求放棄という和解でした。
現実に無理ですよね。しかし、4名で総額2億5000万円しか支払えないというのも、お粗末な話です。
会社役員賠償責任保険に話を戻して、読売新聞の取材に基づく集計によりますと、大手損害保険4社(東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険)の会社役員賠償責任保険への平成7年度の加入件数は計1万2439件と、10年前の平成27年度の計3947件から伸びました。
大手4社の25年度の収入保険料は176億円で、1件当たりの保険料は約141万円ほどの計算です。ただ、保険料は補償内容や限度額、業種、保険期間などを踏まえて企業ごとに決められるため、年間数十万円~数千万円程度と幅は広いといわれています。
賠償金額が巨額になりやすい大企業は大半が加入していますが、保険料負担を敬遠する向きが強い中小企業の加入は1割未満にとどまるとみられています。
保険加入が増えたきっかけは、企業統治を巡る制度改革だ。金融庁と東京証券取引所は平成27年6月、株主の権利や取締役会の責務などを定めたコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)の適用を開始しました。
一方、経済産業省が、平成27年7月、それまで役員個人が一部負担していた保険料について企業が全額負担できるとの解釈を示したことで、企業による加入が増えました。
さらに、令和4年の東証市場区分再編では、プライム市場の上場企業を中心に社外取締役比率の引上げが求められました。企業は優秀な社外取締役を招きやすくするため、保険加入を加速させました。
東京電力福島第一原発事故を巡る株主代表訴訟では、平成4年に東京地裁が東電の旧経営陣4人に計13兆円超の支払いが命じられましたが、さすがに、令和7年6月に東京高裁が賠償命令を取消しましたが、経営者が巨額の賠償リスクにさらされていることが鮮明になりました。
最近ではサイバー攻撃や情報漏えいへの対応でも、経営陣の責任が問われる場面が増えつつあり、保険会社の担当者は「経営判断だけでなく、リスク管理や内部統制まで役員の責任として見られる時代になった」と話しています。
国も対応に乗出しています。
政府内には「前向きな投資や企業買収にも尻込みする経営者が増えれば、日本経済の成長もおぼつかない」といった声もあります。
会社法を改正し、重大な過失がない場合などに限り、現状では社外取締役などに限られる損害賠償責任の上限を取締役にも設ける方向です。
法改正について議論する法務省の法制審議会では「現在の経営責任は過重」「優秀な経営人材の確保を促す観点から必要」との賛成意見が出ていますが、「抑止機能を制限することで安易な経営判断を招く」といった慎重な見方もあります。