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雑記帳

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日本の新聞がなくなる日

 地方新聞社(地方紙)では、すでに廃刊・休刊や、夕刊の撤退が相次いでいます。

 地方市町村の人口の減少は購読者の減少を招くだけではなく、地方紙に広告を出す地元企業も減少します。地方紙にとっては広告収入の減少も深刻です。

 地方紙のみならず、全国紙も含めてのことですが、テレビに加えてネットメディアが発達したことで、いわゆる「紙離れ」が進んできました。
 一般社団法人日本新聞協会によれば、令和3年10月の発行部数の総計は3302万7135部で、平成12年10月(5370万8831部)と比べて38.5%も減っています。この間、一人暮らしのなど増加もあって世帯数は1.2倍増となっていますから、宅配による購読離れがいかに進んだかが分かります。

 これに加えて、危機的なのは若い世代が、新聞を手にする機会が減ってきていることです。
 総務省情報通信政策研究所の「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(令和3年1月実施)によれば、新聞の平均閲読時間(平日)は10代1.4分、20代1.7分、30代1.9分と若い世代にはほぼ読まれていません。60代の23.2分を含めた全年代の平均でも8.5分に過ぎません。

 少子化で若者が減るという以前に、「新聞」そのものが必要とされなくなってきているということで、長年の習慣として宅配購読を続けている世代が亡くなったり、介護施設に入ったりすると部数の減少は急加速するでしょう。

 地方紙の場合、購読者はほぼ県内に限られるため、高齢化率が高くかつ人口減少スピードが速い県ほどマーケットの縮小は著しいといえます。令和7年から令和22年にかけて秋田、山口、鹿児島など21県で65歳以上人口が減ります。75歳以上人口が減少するのは大阪府や山口県、京都府など17府県に上ります。

 直近の課題として、取材網や配達網の維持が困難になってきています。
 新聞社は小都市などに「通信部」という小さな取材拠点を持っていますが、経営が悪化すると各地の通信部に記者を常駐させることが難しくなります。
 地方紙にとっては、全国紙ではカバーし切れないエリアに記者を配置することが強みなだけに、これを維持できないとなると紙面の質だけでなく競争力の劣化をまねきます。
 配達網の「寸断」も目立ってきました。
 新聞販売店は配達部数の減少に加えて過疎エリアが広がり、経営効率が悪化し続けています。いまでは路線バスに過疎地までの輸送をゆだねる事例も出てきました。過疎地では「朝刊は朝届くもの」という「常識」が過去のこととなったところが増えていますが、新聞社の経営体力が弱くなれば、新聞が宅配できなくなるエリアが拡大します。
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