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2024年バックナンバー

雑記帳

国民民主、協議継続引き出した自民とのチキンレース 予算反対で揺さぶり

 令和7年度の税制大綱について、自民・公明両党の政務調査会長は、来年度の税制改正の内容を盛り込んだ与党税制改正大綱を正式に決定しました。

 大綱では、最大の焦点だった、国民民主党の主張する「年収103万円の壁」を見直し、基礎控除額と給与所得控除額を、合計103万円から合計178万円に引上げるという案を無視して、基礎控除額10万円、給与所得控除額10万円の合計20万円を引上げて123万円にするとしています。
 大学生などを扶養する世帯の税負担を軽減する「特定扶養控除」の年収要件は、国民民主党の要望を踏まえ、今の103万円から150万円に引上げるとしています。
 このほか、防衛財源を確保するための増税の開始時期について、所得税は決定を先送りし、法人税とたばこ税は、令和8年4月からとしています。

 問題は、103万円の壁ですね。
 自民、公明、国民民主3党の幹事長は、令和6年12月11日の会談で「178万円を目指して来年から引き上げる」と合意しました。しかし、令和6年12月13日に自公側は引上げ額として国民民主の要望とは程遠い123万円を提示し、お互い一歩も譲らなかったため、国民民主党が、令和6年12月17日に協議を打切りました。

 国民民主との交渉が行き詰まる中、自民は維新にも触手を伸ばしました。
 自民は維新を取り込むため、令和6年12月19日に教育無償化に関する協議を始めました。
 前原誠司共同代表は令和7年度予算案に「賛成することも選択肢だ」と含みを持たせました。
 自民と維新の接近について国民民主幹部は「それなら維新とやればいい」と突き放し、令和7年度予算案への反対論も浮上しました。

 ただ、自民には維新への不信も根強いものがあります。
 令和6年の通常国会で成立した改正政治資金規正法を巡り、維新は、衆院では賛成したものの、参院では裏切られたとして反対に回ったためです。令和6年12月に発足したばかりの維新新執行部とのパイプも太くありません。代表者も変わったところです。。

 自民党と公明党が、国民民主と維新を両てんびんにかけるような態度をとり続ければ、双方から拒絶されるリスクを負います。双方から拒絶されると、予算不成立による内閣総辞職か、内閣不信任案の成立が待っています。

 最終的に、これまで協議を重ねてきた国民民主をつなぎ留める方針に傾きました。
 自民党の森山幹事長が、国民民主党の榛葉幹事長に連絡し、令和6年12月19日、「20日以降も協議を続けてほしい」と連絡し、自民、公明、国民民主の3党協議の再開が固まりました。
 令和6年12月24日には3党の政調会長、税調会長の枠組みでの協議が行われますが、与党側からさらなる引き上げ額が提示される可能性もなくはありません。

 なお、維新は、国民民主党の足を、おもいっきり引っ張っています。

 元大阪府知事の橋下徹氏が、令和6年12月19日、自身のXを更新し、所得税の最低課税基準「103万円の壁」の引き上げ幅を巡って、与党を批判する国民民主党・玉木雄一郎代表(役職停止中)に対し、「国民民主がいくら頑張っても、維新が教育無償化を実現して予算に賛成すれば国民民主の主張は終わり。国民民主は維新の主張にもっと配慮せなあかん」との見解を示しました。
 次に「維新が自民と協議し始めれば、国民民主のキャスティングボートの力は一気に落ちる」「維新と国民民主がタッグを組めば、キャスティングボートの力はより高まる。維新が動き出した今、国民民主単独では自民は動かないことを認識すべき」と述べた上で、日本維新と国民民主が連携すべきだと主張しました。
 さらに「103万円の壁」を巡る玉木氏の与党批判の記事を引用した上で、「国民民主だけで手柄を取りに行くのはダメでしょ」「他の野党が交渉できなくなる。維新の高校教育無償化は約6000億円で実現。国民は維新と歩調を合わせるべき」との考えを示しました。

 「国民民主だけで手柄を取りに行くのはダメでしょ」という言葉が、すべてをあらわしていますね。
 政局で劣勢な維新が国民民主の足を引っ張って喜んでるだけにしか見えません。基礎控除の引上げは、所得減税は、所得税をそもそも納付していない人、課税される所得2500万円を超える人以外のすべてに、減税効果をもたらします。

  令和7年度予算は、令和7年1月に召集される通常国会の前半で政府予算案が国会へ提出され、審議を経て、令和7年3月末日までに成立するよう定められています。
 また、令和7年7月には参院選挙が実施されます。
 日本維新の会が、政府与党(自民党と公明党)にすり寄って、政府・与党が提出した令和7年度の予算案に賛成して、国民民主党の提案する「年収103万円の壁」を103万円から178万円に近いところまでという案が反故になった場合、自民党と公明党だけではなく、日本維新の会も恨みをかって、大阪と近隣府県でしか議席を得られず、令和7年の衆院選のように議席を減らすでしょう。
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