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2024年バックナンバー

雑記帳

JR西日本「消滅危機」ローカル線ランキング、1位は大赤字!100円稼ぐのに1万1766円投入

 JR西日本は、利用者が少ないローカル線の経営情報開示で、17路線・30区間合計で232.6億円の赤字を出しています。

 ローカル線における費用対効果を示す「営業係数」をみます。
 営業係数とは、収入/営業費用×100で算出します。
 100円の営業収入を得るのにかかる費用を示すことになります。100なら収支は均衡、100より低いと黒字、100よりも高いと赤字です。

 JR西日本は「直近3年間の平均(今回の対象期間は令和3年~令和5年)」で算出していて、1日の乗客数の平均(輸送密度)が2000人未満の17路線・30区間について情報公開がされています。

 営業係数ワースト1位は、JR芸備線の東城駅・備後落合駅間でした。
 営業係数は「11766」で、100円の運賃収入を得るために、1万1766円の費用をかけている状況です。
 JR芸備線は広島県と岡山県にまたがり159.1kmを走破する路線です。
 ワースト5には、芸備線・備後庄原駅~備中神代駅間の68.5kmが3区間に分かれて入り、備後落合駅で芸備線に接続する木次線が3位に、新見駅で乗り継げる姫新線も2位にランクインしました。
 この一帯は、瀬戸内海側、山陰に挟まれた細長いエリアです。
 鉄道経営が軒並み悪化している主な理由は、沿線の過疎化と、クルマ社会化による鉄道利用者の減少です。
 当然の話ながら、人口が少ない山岳部では乗客は少なく、維持費用が極端にかかる状態にあり、抜本的な収支改善は難しいといえます。
 さらに、中国山地の背骨エリアは、すでに高速道路(中国自動車道)が貫通しているため、広島市からの移動はクルマや高速バスの方が速いことになります。
 都市間移動と生活移動、どちらにも利用されなくなっており、営業成績が極端に低迷しています。
 JR西日本はすでにこの区間の鉄道廃止とバス転換を申入れているものの、自治体側は「協議入り=廃止検討」という懸念を持ち、話し合いを長らく拒否してきました。
 現在は国土交通省が仲介に入り、協議への参加が義務付けられる「再構築協議会」によって、「地域交通の存続」を目指した話合いが続けられています。
 芸備線に限らず、ローカル線の沿線自治体は「とにかく鉄道を維持し、費用はJRか国が一方的に負担」という主張を続けています。
 しかし、営業係数のワーストランキングに来る路線は1日の利用者が100人以下にとどまるなど、鉄道として存続する意味を見出しづらいといえます。
 それでも存続するのであれば、上下分離や第3セクター化など、地方自治体で相応の負担をするか、そうでなければ収益、利便性ともに優れるバスなどに転換するといった議論を進めて然るべでしょう。

 JR西日本が抱える17路線・30線区の赤字路線で、営業係数とは別に悩ましい問題があります。幹線路線の赤字額(運輸収入から営業費用を引いた数値)です。

 ワーストランキング28位(もっと営業係数が悪い路線が27路線あることになります)の山陰線・出雲市駅~益田駅間の営業係数は「557」で、運輸収入は年間6.8億円あります。
 ところが、赤字額は対象30線区でトップの年間30.8億円を記録しています。
 この区間は島根県松江市と出雲市から島根西部、山口市方面を結ぶ特急「スーパーおき」のルートでもあり、令和元年の豪雨災害で山陽本線が運休となった際には、貨物輸送の代替ルートとして活用されました。
 1日平均932人に利用されているものの、幹線鉄道として保守管理を行うための費用が年間37.6億円もかかっています。

 27位の紀勢線・新宮~白浜間も、営業係数は「703」ではあるものの、赤字額は29.3億円もあります。
 年間の営業費用は30線区中2位の34.2億円かかっており、運輸収入は4.9億円あるものの、巨額の赤字を避けられない状況です。
 過疎化が原因にあることも間違いありませんが、紀伊半島を1周する高速道路が着々と進んでいることから、車に押されていることも一因です。
 特に、大阪から白浜までの区間なら、特急くろしおより(片道5810円)、高速バスの方が安いですし(片道3300円)、さほど時間もかわりません(特急くろしお2時間40分。高速バス3時間20分)。
 また、白浜から難波OCAT、大阪駅JR高速バスターミナル、USJまでの途中に、田辺、みなべなどに停車しますから、観光需要の他、田辺、みなべなどに住んでいる人が、大阪への往復にJR代わりに使っています。私のいとこ家族は、みなべ町に住んでいますが、1人ならバスを利用するようになったそうです。

 鉄道は固定費が高く、よほどの利用者がいない限り、利幅はきわめて薄いといえます。
 赤字の鉄道を存続させるには、例えばJR只見線を存続させるために復旧費用と運行経費の負担をしっかり行った福島県のように、具体的な費用負担が必要とされるでしょう。
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