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2024年バックナンバー

雑記帳

オーストリア大統領が第2党に組閣要請、オポチュニスト政党との連立を各政党が拒絶

 令和6年10月22日、オーストリアのファンデアベレン大統領は、ネハンマー首相(国民党)に組閣を要請しました。

 令和6年9月29日の総選挙の結果は、以下のとおりです。
 自由党            58議席(29.2%)
 国民党            52議席(26.5%)
 社会民主党          41議席(21.0%)
 新オーストリア自由フォーラム 17議席(9.0%)
 緑の党            15議席(8.0%)
             合計183議席

 本来なら、第1党となった自由党が中心となって、連立政権をつくるのが筋ですね。
 大統領は、初めて第1党に躍進した自由党に組閣を要請したものの、オポチュニストで親ロシア的な自由党が連立政権樹立に向けた取り組みを開始したものの、他の政党から連携を拒否されました。
 第2党である中道右派の国民党と、第3党で中道左派の社会民主党との連立を協議するようにとのことですね。

 自由党のキクル党首は、同党が統治に参加しないのは非民主的で、自分たちを除外する「負け組の連立政権」には反対すると強調しましたが、他のどの党も連立しないということですから、183議席中52議席を占めるに過ぎない自由党が単独で組閣をするというのは無理な話です。

 ヨーロッパでは、移民流入や物価高などの生活への不満を背景に右翼政党が支持を広げていて、移民に消極的、ウクライナ支援に反対という自由党が、第1党になったということです。
 第1党になるだけでなく、議席の過半数を占めなければ政権に加われないということになります。

 ただ、中道の国民党と、富裕層課税や相続税の導入を訴える社会民主党との間には政治思想上の大きな違いがあり、連立政権樹立に向けて今後そうした隔たりを埋めていかなければならないことになります。
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