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雑記帳

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健康寿命

 正月は冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし(一休禅師)
 数え年では、正月に年齢が1歳上がります。
 「めでたくもあり めでたくもなし」ということですね。

 令和4年の日本人の平均寿命は男性が81.05歳、女性が87.09歳でした。
 令和3年と比較して男性は0.42年、女性は0.48年下回っています。

 ピンピンコロリ(PPK)という言葉があります。
 病気に苦しむことなく、元気に長生きし、病まずにコロリと死ぬという意味です。
 ある意味、それにこしたことはありません。
 しかし、現実は甘くありません。

 日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる生存期間のことを「健康寿命」と呼びます。

 「厚生労働省・健康寿命」をご覧ください。
健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことをいい、令和元)年の健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳となっています。
 「平均寿命」と「健康寿命」との間の期間は、「日常生活に制限のある不健康な期間」=「日常的に介護が必要な期間」を意味します。

 医学の進歩によって「健康寿命」は尽きても「平均寿命」は10年残っているということですね。
 健康保険や介護保険財政が圧迫されるのも当然です。
 大所高所からの話は別として、「不健康な期間」=「日常的に介護が必要な期間」に、自由にお金は使えません。

 国民年金の繰上受給という制度があります。
 国民年金は、65歳から支給されるのですが、60歳になれば、繰上受給ができます。
 当然、支給額は安くなります。
 年金を繰上げ受給すると1か月につき0.4%減額され、65歳支給開始の年金を60歳からもらい始めると、24%減額された年金を生涯受け取るということになっています。
 60歳まで繰上げた場合の損益分岐点は80歳10か月です。
 つまり「約81歳より早くに亡くなれば、繰り上げた方が受け取り額は多い」ということになります。
 繰上げ受給を判断する60歳の平均余命は、男性は74.78歳、女性は80.48歳ですから、男性の場合は、繰上げ受給を選択したからといって、さほどの損にはなりません。女性の場合は、半々ですね。

 ただ、平均寿命は、客観的な指標ですが、健康寿命は、多分に主観的な指標です。

 健康寿命は、国民生活基礎調査をもとにを算出されます。
 平成24年に策定された「健康日本21」では下記のように「日常生活に制限があること」を不健康と定義し、3年ごとに実施される「国民生活基礎調査(大規模調査)」で得られたデータをもとに算出することになりました。

1 日常生活に制限のない期間の平均(主指標)
 「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」という質問に対して、「ない」という回答を「健康」とし、「ある」という回答を「不健康」として、サリバン法という方法により算出します。サリバン法に興味があれば、検索してみてください。
2 自分が健康であると自覚している期間の平均(副指標)
 「あなたの現在の健康状態はいかがですか」という質問に対する、「よい」「まあよい」「ふつう」という回答を「健康」とし、「あまりよくない」「よくない」という回答を「不健康」として、サリバン法により算出します。

 健康寿命は、あまり客観的なものではありません。
ただ、当たらずといえども遠からずということでしょうか。


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