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2024年バックナンバー

雑記帳

CDS

 Moody's(ムーディーズ)、S&P(スタンダード&プアーズ)、Fitch(フィッチ)などの格付会社は、債券などの元本償還や利払いの確実性を分析して、アルファベットや数字など簡単な記号でランク付けします。

 ただ、格付会社の格付けは、債券などの元本償還や利払いの本当の確実性をあらわしていないのではないかという疑問が提示されています。
 例えば、日本国債の格付けは、実際の元本償還や利払いの本当の確実に比べ、過小評価されているのではないかという疑いは、よく言われることです。Moody'sはA1 S&PはA+ FitchはAと、いずれもG7で低い方に属します。

 日本国債の対GDPの発行額は多額ですが、日本国債は「円」で発行されていて、ほとんどが、日本銀行、民間の金融機関、民間の金融機関を通じるなどして日本国民が保有しています。
 日本銀行は、紙幣発行権をもっていますから、いくらでも「円」のお札を刷れます。
 また、対外純資産は、令和5年度末で471兆3061億円と世界一ですから、近々、国債を返済できないということは考えられません。

 本当の国債の元本償還や利払いの確実性は、民間の格付会社の格付けではなく、CDSを見れば良いといわれています。
 CDS(Credit default swap)は、デリバティブの一種で、特定の国や会社等が倒産したとき等に、一方の当事者から他方の当事者に、あらかじめ定められた範囲の金額が支払われるという約束で市場で取引されています。
 基本的に、民間の格付会社は、間違っても、格付け会社は責任をとってくれません。このことは、リーマンショックのときに顕著に表れました。
 しかし、CDSは、売手であろうと買手であろうと自分自身の財産をかけて真剣に取引しています。民間の格付会社が真剣でないとまではいいませんが、CDSは、常に、真剣勝負をしています。ですから、本当の債権の元本償還や利払いの確実性をあらわしているといわれています。

 一例を挙げておきます。数次の高い方が、国債の5年内の、元本償還や利払いの確実性が低い、つまり、危険な国債ということになります。CDSスプレッドは年率換算 のベーシス・ポイント(bps・bp)で表示されます。 1bp は0.01%です。
 この中で、日本より低いのは、スイスとドイツとオーストラリアとイギリスだけです。

 令和6年10月4日午後4時35分
Switzerland CDS 5 Year   5.99
Germany CDS 5 Year   10.51
Australia CD S 5 Years   12.13
UK CDS 5 Years      21.66
Japan CDS 5 Y ear    22.16
France CDS 5 Y ears   34.46
Spain CDS 5 Years       35.26
US CDS 5 Years           35.98
Canada CDS 5 Years      39.60
China CDS 5 Years     60.25
Saudi Arabia CDS 5 Year 62.17
Italy CDS 5 Years           62.82
Indonesia CDS 5 Years   69.25
India CDS 5 Year           84.08
Mexico CDS 5 Years       116.8
Brazil CDS 5 Years      146.26
Israel CDS 5 Year       148.69
South Africa CDS 5 Year 180.39
Turkey CDS 5 Years      271.19
Egypt CDS 5 Years       626.43
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