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2024年バックナンバー

雑記帳

ドイツ、不法移民抑制へ国境管理強化 専門家は効果疑問視

 ドイツ政府は、令和6年9月16日、フランスやオランダなどとの国境での検査を再導入しました。
 今回の入国管理強化は、不法移民や国境を越えた犯罪への取り組みの一環です。
 ドイツへの移民急増に伴い、極右政党などへの支持が拡大していることを受け、移民問題での対応強化を目指していますが、有効性を疑問視する声が上がっています。

 新たに導入された入国管理制度は、主に近隣の欧州連合(EU)諸国から移動してくる難民が対象です。

 難民申請は最初に到着したEU加盟国で処理されることを義務付けるEUのダブリン規則に基づいた対応となります。
 ダブリン規則は、元来、欧州の中でも一定の国々への庇護希望者の集中、EU域内に入ってから複数国にわたって庇護申請を行う庇護希望者の増加といった事態への対処として導入されたものです。
 すなわち、特に冷戦終焉後の中東、アフリカ等の不安定化を受けて欧州を目指す庇護希望者が増加してくると、ドイツ等の庇護希望者が集中する国々は、大量の申請を迅速に処理するために、「安全な第三国」(と認められる国)から入国してきた庇護希望者についてはその庇護申請を実質審査することなく当該第三国に送還するという措置をとるようにります。
フランスやオランダなどから来た難民申請者は、ドイツに入国させずに、国境でフランスやオランダなど「安全な第三国」に返してしまおうということです。

 ドイツで、令和6年1月~8月の難民申請件数は、対前年比で21.7%減少しました。
 フェーザー内相(SPD。女性)によりますと、減少は昨年導入された管理措置によるもので、3万人超の不法入国が阻止されたとのことです。
 ただ、移民問題の専門家のうちは、減少が管理措置の直接的な結果だと証明するのは難しいと指摘する人もいます。

 既に実施されていたポーランド、チェコ、オーストリア、スイス国境に加え、今回の措置で、フランス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、デンマークが追加されました。ちなみに、ドイツは、9か国と国境を接しています。
 この動きに対しては、EU内の自由な移動の原則を危うくし、ブロック内の結束も損ないかねないとの批判も出ています。

 なお、シェンゲン協定の国々との間においては、人やモノの移動は自由というのが建前です。
 ただ、電車でもバスでも、国境においてパスポートの検査がされることがあります。
 ちなみに、日本人などは最初から対象になっていないようで、日本のパスポートを渡すと、中身を見もせずに返してくる審査官が多数です。中には、パスポートを示した段階で、パスポートを見もせずに、無視して通り過ぎる審査官もいるくらいです。
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