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2024年バックナンバー

雑記帳

熊野古道 世界遺産登録20年「巡礼」の宿泊客8割は海外旅行者

 令和6年で世界遺産登録20年を迎えた「紀伊山地の霊場と参詣道」(和歌山県、奈良県、三重県)の熊野古道が、欧米や豪州からの観光客に人気だそうです。

 和歌山県田辺市の観光団体が、令和5年度実施したツアーの宿泊客約6万人の8割は海外客で、アメリカ、イギリス、オーストラリアでその半分以上を占めているそうです。
 自然の中を歩いて聖地に向かう「巡礼」スタイルと、丁寧な言語対応が高く評価されているとのことです。

 熊野古道の主要ルートである「中辺路」の起点近くにあるJR紀伊田辺駅のバス停(田辺市)では、毎日のように大きなリュックサックを背負った外国人観光客が多くいます。路線バスで途中下車し、熊野本宮大社へ向かう数十キロの山道を歩くためだそうです。

 私自身、電車で白浜温泉に行くときに、紀伊田辺駅で下車して、そこからバスで白良浜に向かうことがあるのですが(白浜駅で下車するのと同じくらいの頻度で、白良浜へ行くバスが出ています)、観光案内所には、英語のできる職員が複数いて、英語の会話が、よく聞こえています。外国人観光客は、観光案内所でちゃんと聞いておいてバスに乗らないと、運転手は日本語だけ、英語は片言だけになってしまいます。

 田辺市や地元観光協会が、観光団体「田辺市熊野ツーリズムビューロー(TB)」設立して、熊野古道歩きのガイドツアーや宿の手配を行い、多言語対応の予約サイトで少人数可のツアーも開催しているそうです。
 案内表示などでも、日本独自の文化や歴史が伝わるよう英訳を工夫し、宿泊施設向けの英語による接客の研修も重ねてきたそうです。

 その結果、欧米の旅行ガイドに掲載されるなど海外での知名度が上がり、TB旅行事業の令和5年度売上高は、過去最高の約8億7600万円を達成し、延べ宿泊客数5万9476人のうち78%が外国人客だったそうです。

 人気の背景には、スペインの世界遺産で、ローマ、エルサレムと並ぶキリスト教の3大巡礼地「サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路」との連携もあるそうです。
 熊野古道と並び、世界で2例だけの「道」の世界遺産で、平成27年から「共通巡礼」を実施しているそうです。
 歩いた距離などに応じて巡礼「達成」が認められる仕組みで、熊野古道とサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路と両方とも「達成」した人は世界で6000人を超えたとのことです。
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