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2024年バックナンバー

雑記帳

死傷者100万人「ロシア・ウクライナ戦争2年半、人口の崖到来」

 令和6年9月16日、アメリカのウォールストリートジャーナル誌は、ウクライナと西側の情報機関側の推算数値を引用し、戦争勃発以来、ロシアとウクライナ両国で合計100万人余りの死傷者が出たと報じました。
 内訳は、ロシア軍60万人(死亡20万人、負傷40万人)と、ウクライナ軍48万人(死亡8万人、負傷40万人)です。
 ウォールストリートジャーナル誌は「人命被害は戦前から人口減少問題を抱えてきた両国が今後も長い間支払わなければならない途方もない代価」と評しました。

 ロシアでは若い専門人材を中心に60万人余りが海外に渡りました。
 ロシアの労働市場の主流である中央アジアから移住した労働者数も急減し、労働人材が不足しているというのがウォールストリートジャーナル誌の説明です。
 また、令和5年に1.41~1.42人台を記録したロシアの合計特殊出生率が、令和6年には1.32人になると予想され、「ロシアが人口学的減少の悪循環に陥った」(英国エコノミスト)という評価が出ています。
 それでも、日本より出生率は高いですね。うらやましいところです。

 ウクライナも、戦争勃発後、国連推算で約600万人が海外に渡りました。
 また、ロシア占領地が増え、ウクライナ政府が統制する領土の総人口数が4000万人から2500万人水準に1500万人ほど減少しました。
 令和5年の合計特殊出生率も0.7人で最低水準を記録しました。
 韓国の令和5年の合計特殊出生率0.72は、戦時下のウクライナ並みに低いということになります。

 人口減少という共通の危機に直面したロシアとウクライナ両国は、多方面で対策を立てています。
 まず、ウクライナは出産に制約が生じないよう、軍動員に年齢制限を設けました。18歳~25歳の男性の動員を執行せず、現在ウクライナ戦闘員の平均年齢は43歳を超えています。

 ロシアは兵力を18万人増員しました。
 死傷者が増えたことによって、ロシアのプーチン大統領は最近、兵力を132万人から150万人に増員する内容の大統領令に署名したと、ロシアのタス通信が伝えています。
 兵力規模の拡大は、戦争勃発後、今回が3度目です。
 兵力増員にともなう労働人材の空白は北朝鮮労働者で埋めています。
 令和6年9月10日、米国議会調査局の「朝ロ関係」報告書によると、ロシアが対北朝鮮制裁違反で凍結された900万ドル(約128億円)を解除し、北朝鮮に資金を支援して北朝鮮労働者を受け入れたことが明らかになっているそうです。
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