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雑記帳

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航空燃料の不足

 円安を背景にインバウンドの回復が続いている中で、全国各地の空港で航空燃料が不足し、増便や新規就航を見送る海外航空会社が相次いでいます。
 成田空港では現在、海外航空6社が1週間当たり計57便の増便や新規就航を希望通りの時期にできない状況にあるそうです。
 北海道や広島などの地方空港でも増便できないなどの影響が出ています。
観光産業の成長に冷や水を与えかねませんね。

 全国各地の空港で航空燃料が不足している原因の一つは、石油元売会社が、石油製品の需要減少に対応して製油所の統廃合を進めてきたからです。

 今のところ製油所の稼働率には余裕がありますが、航空燃料だけを急に増産することは難しいといえます。理由は、原油を精製してつくる石油製品はガソリン、灯油など複数の製品が一定の割合で生産される特性があり、稼働率を上げれば増産の必要がない石油製品も同時に生産されてしまうからです。
 製油所の集約に伴い、空港までの輸送距離が延びた影響も大きといえます。
 輸送船の確保が円滑に進まなかったり、令和6年4月に始まった残業規制(働き方改革)でタンクローリーの運転手が不足したりして航空燃料の輸送に支障が生じています。
 空港で給油作業を行う作業員の不足も指摘されています。

 需要増に対応するための燃料の海上輸送力が不足しているとして、これに対応するために、国土交通省は国内輸送のためのタンカーを新たに3隻確保し、海外輸送に使われている日本船籍のタンカー1隻を国内輸送向けに変更するそうです。
 さらに、国土交通省は早ければ、令和6年10月にも、外国籍のタンカーを日本船籍に変える予定だそうです。
 これは、日本国内での燃料輸送に使われる船舶は日本船籍で乗組員が日本人でなければならないという条件があり、このことが航空燃料供給の足かせになっているためです。

 韓国などから余剰燃料を輸入する予定です。
 日本、韓国ともに産油国から原油を輸入して、国内の化学プラントで石油製品に精製するのですがそれぞれの国内事情で余る製品があるわけです。
 韓国では灯油があまりがちですし、日本では軽油やガソリンがあまりがちです。
 精製能力にも限界はありますし、多くの原油を精製すれば、余る石油製品も多くなるわけです。
 航空燃料は、ケロシンといって、ストーブで使う灯油に近いものだそうですから、韓国から輸入するそうです。


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