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2024年バックナンバー

雑記帳

「世界的航路が寸断の危機」商船攻撃が相次ぎスエズ運河を利用する貨物船の数が激減

 世界の海運交通情報を発信しているMarineTraffic(マリン・トラフィック)は、令和6年2024年6月20日、公式Xにおいて、スエズ運河を航行するばら積み貨物船輸送量が激減していると発表しました。

 マリン・トラフィックが公開したデータによりますと、令和5年6月にスエズ運河を通過するばら積み貨物船が118隻あったのに、令和6年6月にスエズ運河を通過するばら積み貨物船が118隻からわずか24隻になったことが明かし「重要な世界的航路が寸断されている」と投稿しました。
 実に80%も減少したことになります。

 主原因は紅海で商船を対象とした攻撃行っている、イエメンの反政府勢力であるフーシ派の影響です。
 フーシ派は、パレスチナのガザ地区を実効支配するイスラム勢力であるハマスとの連帯を表明しています。
 令和5年10月以降、周辺を航行する民間船舶がイスラエルに関わりのある船であるとみなした場合、巡航ミサイルや無人機、自爆ドローンで攻撃しており、イスラエルがガザへの攻撃をやめない限り、攻撃を緩めるつもりはないと述べています。
 令和5年11月20日、日本郵船が運航する自動車運搬船が拿捕されましたね。

 紅海には、イスラエルのガザ地区攻撃直後から展開していたアメリカやイギリス海軍のほか、EUやインド海軍も艦艇を派遣して、商船護衛に当たっていますが、被害は収まっていません。
 令和6年6月18日にフーシ派は、ギリシャ船籍の石炭運搬船「チューター」を攻撃して撃沈していますし、令和6年3月にもイギリスの貨物船が撃沈されています。

 なお、世界の貿易情報を発信しているクプラーによると、「チューター」撃沈により、紅海航路の保険料が高騰しているということで、その結果、用船者のコストがさらに上昇することが予想されています。

 スエズ運河通行料収入が激減して、ただでさえ貧しい、エジプトの財政を圧迫しています。
 フーシ派のバックはイランで、イスラム圏内の勢力争いでイランがエジプトを苦しめています。
 また、イランとしてはペルシャ湾以外でも、民間船舶の航行を妨害する能力を使うことで、国際的に優位になりたいという意図を持っています。

 そもそも、令和6年10月7日のテロも、イスラエルとサウジアラビアの国交正常化を阻止したいイランが(実質)配下のハマスを使って阻止に成功したという事件です。
 イランがしていることは,ガザ地区住民のためではありません。


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