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2024年バックナンバー

雑記帳

クリニックの支払いが、キャッシュレス未対応なのは、何か理由があるのか

 買い物をするときや外食をするときなど、キャッシュレス決済に対応しているお店を多くなりました。というか、現金のみというお店は少ないですね。

 しかし、医療機関の場合はキャッシュレス決済未対応というところも多いといえます。
 医療機関には、病院(20床以上の医療機関)、診療所(19床以下、あるいは、無床の医療機関)とに区別されます。
 「診療所」というのは、あまりに古くさいという印象なのか、多くの診療所は、「クリニック」という名前をつけています。

 病院は、クレジットカードを使える病院と、使えない病院があるのが現状です。
 医療費の支払いにクレジットカードを使えるようにしてほしいとの強い要望を受け、総務省は医療機関に対して、クレジットカードによる医療費の支払いを可能にするよう呼びかけを行っています。
 特に国や独立行政法人等が運営する病院において、クレジットカードでの支払方式の導入が進んでいます。
 また、クレジットカードだけではなく電子マネーでの支払方式を導入している病院もあります。

 診療所(クリニック)は、クレジットカードを使える診療所は、完全な少数派です。
 病院と診療所の定義の違いから分かるように、診療所は、基本的に小規模です。
 診療所にキャッシュレス決済が普及しない理由としては、以下のようなことが挙げられています。

1 導入コストや手数料が高い
  キャッシュレス決済は導入コストが高額になることもあるため、その負担を考えて導入に消極的になる診療所もあるようです。また、導入するとクレジットカード会社に対して手数料が発生してしまうことになり、小規模な診療所だと負担が大きくなり、経営を圧迫してしまうおそれもあると考えられます。
2 入金サイクルが遅い
  キャッシュレス決済だと現金払いと違い、支払いと入金のタイミングにズレが生じます。
 そのため、入金サイクルが遅くなって資金が不足するおそれがあり、小規模な病院だと経営にも影響が及ぶ可能性があるため、導入にちゅうちょするところもあります。
3 患者からの要望が少ない
  そもそも患者からの要望が少ないことも、キャッシュレス決済が普及していない理由の一つであると考えられます。
  特に、高齢の患者は現金払いを好む傾向があり、クレジットカードを持っていなかったり、持っていても使いたがらなかったりすることもあり得ます。
  キャッシュレス決済を導入しても利用率が上がらなければ、会計業務の効率化にはつながりにくいと考えられます。

 法律事務所も、現金払いのみでキャッシュレス決済ができない業種の典型でしょう。

 現金払いといっても、現金で支払いがなされるのは法律相談料くらいで、訴訟や調停の着手金については、現金の枚数を数えなければならないほどの現金を持ってこられても数えるのが面倒ですし、現金をATMに預けに行くのも手間なので、原則として、銀行振込にしてもらうのが普通です。

 なお、クレジットカード支払いを認めている弁護士は、ごくごく希です。
 クレジットカード支払いを認めるためには、クレジット会社の特約店になる必要がありますが、特約店になるためには、法律事務所の守秘義務のある事項までクレジット会社に開示しなければならないからです。
 ただ、着手金や報酬のクレジットカードでの支払を認めている法律事務所が皆無というわけではありません。どのようにして守秘義務の問題をクリアしているのかわかりませんし、もしかしたら、クリアされてないのかも知れません。
 ただ、現在まで、クレジット払いに対応するため、依頼者の守秘義務のある事実を信販会社に漏洩したとして、懲戒された、弁護士あるいは弁護士法人がないところをみると、セーフなのかも知れません。
西野法律事務所
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