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2024年バックナンバー

雑記帳

VWがドイツ国内の工場閉鎖を検討 「非常に厳しく深刻な状況」コスト削減で初

 ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は、令和6年9月2日、ドイツ国内の工場の閉鎖を検討していると明らかにしました。
 中国メーカーの台頭など自動車業界で競争が激化する中、コストを削減し、収益力を高めます。
 VWが本拠地のドイツで工場を閉鎖すれば初となります。

 オリバー・ブルーメ最高経営責任者(CEO)は声明で「欧州の自動車産業は非常に厳しく、深刻な状況だ。製造拠点としてのドイツは競争力で後れを取っており、断固として行動しなければならない」と説明しました。
 VWは、競争力を高めるための迅速な対策を講じなければ、車両工場や部品工場の閉鎖も「もはや否定できない」と強調しました。
 検討中の措置はVWブランドのほか他のグループ企業(アウディ、ポルシェ、ランボルギーニ、ベントレー、MANなど)も対象となり、工場閉鎖のほか、令和11年まで雇用を保障するという労働組合との協定の打切りも目指しています。
 ただ、さっそく、労働組合は、反対の意思を表示しましたね。

 VWは、傘下の高級車ブランド「アウディ」の電気自動車(EV)を生産するベルギー・ブリュッセルの工場閉鎖も検討しています。
 世界的なEVの販売減速も同社に事業戦略の見直しを迫る要因となっています。

 VWは、世界全体で約65万人を雇用しており、うちおよそ30万人がドイツ国内で働いています。
 VW監査役会(日本でいえば、取締役会に該当)の役員の半分は労働者代表が占めていて、また、株式20%を保有するニーダー・ザクセン州は労組側につくことが多いとされています。

 VWといえば、日本メーカーの走行中の排ガス測定装置によるディーゼル不正発覚により、致命的なダメージを受けました。「クリーンディーゼル」など、真っ赤な嘘ということがわかってしまいました。
 また、環境政策なのか、トヨタのハイブリッド車にかなわないからトヨタ車をつぶしにいったのかわかりませんが、EV転換を推し進めて失敗しました。
 また、EV転換で、アメリカのテスラや中国BYDに敗れ最大市場の中国貿易は赤字となっています。

 中国市場でドイツ自動車メーカー(フォルクスワーゲン、アウディ、BMW、ダイムラー)が占める販売割合は、令和2年には24.4%に拡大するとともにも上記4社が中国で生産した乗用車は令和2年に合計480万台に上り、同4社の全世界での合計生産台数の36%を占めています。
 しかし、中国の深刻な景気の悪化と、中国BYDなどの台頭によって、ドイツ車の中国のシェアは下がっていますし、これから、もっと下がるでしょう。
 また、EUが、中国から輸入される自動車に関税をかければ、中国で生産しているフォルクスワーゲン、アウディ、BMW、ダイムラーにも関税がかかって、EU市場での日本車などの他の自動車メーカーとの競争にも不利になります。

 前メルケル政権が、中国に肩入れしすぎた報いともいえます。
 ドイツの自動車産業は、誠に残念なことではありますが、危機にあります。
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