本文へ移動

雑記帳

雑記帳

外国人の生活保護受給者数

 生活保護世帯に、外国人の割合が多いという話はよく聞きます。
 大阪で弁護士をしていると、在留許可を得ている韓国人・朝鮮人の生活保護受給者が多い気がします。

 平成25年5月5月24日、日本の華字紙である「中文導報」が、厚生労働省が発表した生活保護受給者の状況から、中国人の在日人口に対する生活保護受給世帯の割合はその他の在日外国人と比較して最も低く、このことから在日中国人は自立性が比較的強いとの記事を掲載しました。

 平成23年5月12日、厚生労働省が発表した「福祉行政報告例(平成23年2月分概数)」によりますと、被保護世帯数143万6046世帯、被保護実人員198万9769人となっています。

 そして、「福祉行政報告例(平成23年2月分概数)」によりますと、外国人世帯の受給総数は4万3479世帯でした。
 国別でみると、韓国・北朝鮮が2万8796世帯で最も多く、次いでフィリピンが4902世帯、中国が4443世帯、ベトナムが651世帯となっています。

 人口別の受給世帯割合を比較すると、日本人は81人に1世帯、在日韓国人・朝鮮人は19人あたり1世帯、在日フィリピン人は43人あたり1世帯、在日ベトナム人は65人あたり1世帯、在日中国人は146人あたり1世帯の割合です。

 「中文導報」が言いたいのは、日本人は81人あたり1世帯が、生活保護受給世帯、中国人は146人あたり1世帯が、生活保護受給世帯で、中国人の生活保護受給率は、他の外国人の生活保護受給率に比べて最も低く、さらにいえば、日本人の生活保護受給率よりも低い、このことから在日中国人は自立性が強いということですね。

 日本人と外国人を通算した、被保護世帯数を人口で割ると、1.64になります。
 生活保護を受給している人の、1世帯あたり1.64人が平均ということですね。
 1世帯あたり1.64人は低いように感じますね。
 独居老人・障害者の世帯が多いということが推測されます。

 在日韓国人・朝鮮人は19人に1世帯ということは、おおざっぱに、生活保護を受給している人の世帯が、1世帯あたり1.64人が平均として単純にかけると、在日韓国人・朝鮮人は11.6人に1人が、生活保護を受給しているという計算になります。

 生活保護受給者は、老齢世帯に多いです。
 在日韓国人・朝鮮人が多いのは、国民年金に加入していなかった在日韓国・朝鮮人の「無年金世代」が高齢化しているのが最大の要因ということになります。
 昭和57年(1982年)1月1日より、国民年金法上の国籍条項は撤廃され在日外国人も国民年金への加 入できるようになりました。また。
 平成29年(2017年)8月1日から保険料納付済等期間が10年以上になりました。

 その昔は、国民年金に加入できなかったから、25年の納付がないため、基礎年金受給ができないのは当然だという主張もありました。
 ただ、年金の納付期間は10年となり、国籍を問わず国民年金に加入できるようになって32年経過しています。
 今、そのような言い訳ができる人は少なくなっています。

 その他の国籍で伸び率が急なのは、昭和50年以降に来日したフィリピン、中国、ブラジル人らの「ニューカマー」と呼ばれる人たちです。
 東海地方で自動車などの製造ラインを担っていた日系人らの多くがリーマン・ショック後に失業、生活保護受給ということになります。
 これは、老齢世帯ではありませんから、母国に帰って働くことが可能ということになります。
 もっとも、母国に帰っても、日本の生活保護水準より低い人、母国で働けるのに(当然、母国語ができます)帰国せず、「ただ乗り感覚」で受給しているといわれても仕方がありません。

 なお、日本人の配偶者だったフィリピンや中国出身の女性らが夫婦関係の悪化や、DVなどの理由で離婚しても、子供が日本で教育を受けていれば、シングルマザーとして国内にとどまることになります。
 この場合、「配偶者」から「定住者」へ資格変更して、生活保護を受給するケースも多いでしょう。

 一部の人は、在日外国人の生活保護受給者が多すぎると主張しています。
 在日韓国人・朝鮮人が、とびぬけて多いのは間違いありません
 もっとも、在日外国人は、いわば「ハンディキャップ」を背負っています。
 そこをどう見るかの問題ですね。
 あとは、1910年(明治43年)から1945年(昭和20年)までに、日本にきた人と子孫がどの程度いるかの問題です。戦後、韓国から日本にきた人と子孫も結構います。
 日本人にしても、サラリーマン生活を送ってきた人が、無年金ということはありません。
 日本人にしても、自営で暮らしてきた人が、無年金で、生活保護を受けると言うことが多いです。
TOPへ戻る