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　高齢者による交通事故が増えています。
　年をとると認知機能や運動機能が低下し、重大事故を引き起こしやすくなります。

　高齢ドライバーによる交通事故としては、令和元年に母子が亡くなった東京・池袋での暴走事故が記憶に新しいかもしれません。

　警察庁の発表によりますと、交通事故による死者数は過去１０年以上にわたって減少傾向にあります。しかし、年齢別にみると令和３年の７５歳未満のドライバーによる死亡事故件数が免許人口１０万人あたり２．６件なのに対して、７５歳以上の高齢ドライバーによる死亡事故件数は５．７件と２倍以上です。
　高齢者ドライバーは若いドライバーに比べ、ドライバーや同乗者自身が、それほどの衝撃でなくても死亡することがあるとの可能性が否定できませんから、単純に、２倍以上の被害者が出るということはいえないのかもしれません。

　事故の人的要因を比較してみると、７５歳未満では、「安全不確認（３０．１％）」「漫然運転などの内在的前方不注意（２４．２％）」が上位に並んでいます。
　それに対して７５歳以上では、ハンドル操作やブレーキとアクセルの踏み違いといった操作ミス（３３．１％）が事故原因の１位です。
　ブレーキとアクセルの踏み違いによる死亡事故は、７５歳未満では全体の１．３％ですが、７５歳以上では１０．７％と高い割合を占めています。

　そこで警察が力を入れているのが、高齢者による免許証の自主返納です。
　「運転すべきではない人」に対して、免許証の返納を促しています。
　ただ、都市部に住んでいれば、自分で運転できなくとも生活に不自由することはありませんが、地方では、自分で運転できなくとも生活もままならないということがあるようです。

　ここで、免許証返納の可否について述べるつもりはありません。
　自動運転の実用化が進んでいます。
　自動運転が進化するとして、高齢化した場合、運転免許証を維持し続けた方がいいか、運転免許証を返納した方がいいかについて、２つの意見があるようです。

　１つは、自動運転が運転する必要がなくなる程度に実用化されれば、免許証などいらなくなるから返納した方がいいという意見を述べる方がおられます。
　もう１つは、自動運転が運転する必要がなくなる程度に実用化されても、機械の不具合などの場合に備えて、ドライバーが、ハンドルを操作したり、ブレーキをふむことが必要になることがあり、やはり、運転免許証をなしのドライバーが、ハンドルを操作したり、ブレーキをふむのは危険だがら、運転免許証を維持し続けた方がいいという人もいます。

　どちらなんでしょうか。
　どちらか分からないうちは、運転免許証を維持し続けた方がいいという結論になるのでしょうね。
　返納してから再取得ということは、事実上、不可能でしょうから。