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　令和６年４月２５日、 イタリア北部の都市ベネチアは、観光客が押し寄せて住民生活が害される「オーバーツーリズム」対策として、市内に入る観光客から手数料を徴収する制度を導入しました。
　観光シーズンのピークを対象としたもので、世界初の事例となります。

　日帰りの観光客は、事前にオンラインで５ユーロ（約８００円）の入市料を支払って登録する必要があります。
　今年の徴収対象年間は計２９日あり、祝日の令和６年４月２５日がその最初となりました。
　市の入り口には観光客が登録しているかどうか確認するゲートはありませんが、監査官が抜き打ち検査を行い、登録していない人には５０ユーロから３００ユーロの罰金を科します。

　ベネチア市当局者によりますと、令和５年ベネチアを訪れたのは約２０００万人で、約半分がホテルや民泊施設に宿泊しました。
　ベネチアの人口は現在約４万９０００人です。観光客の約４分の１ですね。
　当局者によると、今年の料金徴収は試験段階にあり、将来的には特定の時期の料金を引き上げる可能性もあるそうです。

　ベネチアは、令和５年、国連教育科学文化機関による「危機にさらされている世界遺産」の指定をかろうじて免れました。
　オーバーツーリズムが生態系を破壊するリスクに市が対処していることが判断材料の一つで免れることができたそうです。