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2023年バックナンバー

雑記帳

CDS

各国のクレジット・デフォルト・スワップ・レート(CDS)

 CDSとは「Credit default swap(クレジット・デフォルト・スワップ)」の略で、企業や国のデフォルトリスクを対象とするデリバティブの一種です。

 CDSは「対象先(企業や国)が破綻した時に備える保険」のようなものです。

 CDSの買手が売手にプレミアム(CDS保証料)を支払います。そして、プレミアム(CDS保証料)の料率のことを「CDSスプレッド」と呼んでいます。

 CDSの売手は買手に対し、対象先(企業や国)が破綻した場合、企業なら社債、国なら国債の破綻による損害を、支払わなければなりません。
 当然、リスクが低い対象先(企業や国)のCDSスプレッドは低くなり、リスクが高い対象先(企業や国)のCDSスプレッドは高くなります。

 格付け機関(米国系のムーディーズ、S&P、欧米系のフィッチ・レーティングス)も格付けをしますが、格付け機関は責任を負いません。
 リーマンショックの際は、デリバティブの中に破綻の可能性の高いサブプライムローン(低所得者向けの住宅ローン)が入り込んでいて、格付け機関が、当該デリバティブに高い格付けをしていたため、安心して購入した投資家が多大な損失を受けたというのが発端ですが、不当な格付けをしていた格付け機関は、損害賠償はしませんでした。

 CDSは、食うか食われるかの市場取引で形成されるもので、格付け機関のようないい加減なものではなく、正確なものといえます。
 CDSスプレッドは、年率換算 のベーシス・ポイント(bp)で表示されます。1bp は0.01%です。
 200bp以上は要注意、400bp以上は警戒、700bp以上は危険水域、1000bp以上は破綻懸念とされています。

 以下は、令和5年10月18日時点のCDSスプレッドです。

Switzerland 11.02
Germany    22.5
Australia 25.16
Japan 26.13
France 27.49
UK 31.68
South Korea 37.55
Canada 39.62
US 42.31
Spain 54.27
Saudi Arabia 77.08
China 82.63
India 82.91
Indonesia 95.05
Italy 114.3
Mexico 126.6
Israel 129.87
Brazil 183.11
South Africa 279.95
Turkey 410.37
Egypt 1,868.87

 ここに記載されている国の国債のうち、日本は、スイス、ドイツ、オーストラリアに次ぐ安全なものと評価されていることが分かります。
 G7のうち、ドイツ国債が日本より安全で、フランス、イギリス、カナダ、アメリカ、イタリアの各国債が日本より危険ということが分かります。とりわけ、イタリア国債の危険は、桁違いです。

 日本国債は発行額こそ多いですが、令和4年12月末時点で、海外投資家による日本国債の保有割合は13.8%、保有額は165.8兆円にすぎません。
 また、令和5年3月末時点における、日銀による国債(国庫短期証券を除く)の保有割合は53.34%と過半数をしめています。日本人が銀行等に預金をして、銀行等が国債を購入している割合も多いですから、破綻のおそれは低いといえます。
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