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2023年バックナンバー

雑記帳

京都に観光客殺到でオーバーツーリズムの恐怖

 外国人観光客が急速に戻っています。

 日本政府観光局(JNTO)が、令和5年5月17日に発表した4月推定値によりますと、訪日外客数(入国外国人旅行者)は194.9万人で、前年同月の約13倍、コロナ前の2019年同月と比較しても66.6%に達する数字です。

 私の通勤路途中に、阪急百貨店がありますが、免税品を多量に購入する外国人旅行客であふれかえっています。
 また、大阪家庭裁判所にいくとき、大阪城(最寄りの駅は谷町4丁目駅、バス停は大阪城公園前)ですから、外国人旅行客をよく見かけます。

 そんな外国人観光客が多く訪れていた都市の一つが京都です。
 京都市観光協会によれば、コロナ前の令和元年に京都で宿泊した訪日外国人のうち中国は30.8%、その他アジアの計21%を大きく上回る旅行者が訪れていました。

 コロナ前の京都が直面していたのが「オーバーツーリズム」問題です。
 これは観光客の著しい増加が混雑など観光客自身の満足度低下につながるとともに、地域住民の生活に悪影響を及ぼす状況を指す言葉です。

 一方で、令和元年に観光客が京都市内で使った金額は1兆2367億円で、これは京都市民の年間消費支出81.3万人分(京都市民の55.4%)に相当します。
 観光による税収効果も市税収入の12.8%にあたる390億円あり、観光による雇用効果は雇用者の5人に1人となる15.3万人に達します。
 観光は京都にとって欠かすことのできない主力産業です。

 これを両立させるため、京都市は2018年頃から本格的にオーバーツーリズム対策に乗出しましたが、期せずして訪れたコロナというインターバルで取組みを加速させました。
 何といっても必要なのは旅行者の分散です。
 京都は清水寺や金閣寺、伏見稲荷といった定番観光スポットがあり、春・秋の人気シーズンにさらに集中します。

 またオーバーツーリズムの象徴として、しばしば取り上げられるのが京都市バスの混雑問題です。
 京都~銀閣寺ルートの最混雑時間帯はコロナ前、1台当たり平均140人以上が乗車、混雑率でいえば200%以上というバスではありえない数値に達していたそうで、地元住民が利用できないといった声が多く寄せられてきました。

 そこで京都市は、今年中に700円乗り放題の「バス1日券」を廃止し、1100円の「地下鉄・バス1日券」へシフトを図ります。
 また、地元の人より、旅行者の運賃を高くするという案も出ているそうです。
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