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雑記帳

マケドニア「北マケドニア共和国」に改名へ

平成30年6月17日、ギリシャの都市サラデス(Psarades)で、ギリシャ共和国のアレクシス・チプラス(Alexis Tsipras)首相と、マケドニア共和国のゾラン・ザエフ(Zoran Zaev)首相臨席のもと、ギリシャとマケドニア両国の外相が、マケドニアの国名を「北マケドニア共和国」に変更する暫定的な合意文書に署名しました。

 マケドニア共和国は、ユーゴスラビア連邦共和国解体によって生じた国です。

 ユーゴスラビア連邦共和国は、クロアチア共和国、コソボ共和国、スロベニア共和国、セルビア共和国、ボスニア・ヘルツェゴビナ共和国、マケドニア共和国、モンテネグロ共和国(50音順)の7つに分裂しました。

マケドニア共和国は、ユーゴスラビア連邦共和国の構成国の1つでしたが、名前はそのままなのに、独立したとたんにギリシャからクレームがきたということです。

 アレクサンダー大王率いるマケドニア王国に由来するマケドニア地域は、マケドニア共和国だけではなく、ギリシャ北部にもまたがっていました。

 マケドニア共和国は、ユーゴスラビアから1991年に分離独立したのですが、ギリシャから「マケドニアはギリシャだ」というクレームがつき、1993年、以下の暫定名称で国連加盟しています。

 ギリシャは、マケドニア共和国のEU加盟や北大西洋条約機構(NATO)入りを拒否してきました。

 貧しいマケドニア共和国としては、EUにどうしても加入をしたいと考えています。

 マケドニア共和国が、折れたということです。

 マケドニア国名問題というコラムも参照下さい。


 その昔、ユーゴスラビアという国がありました。

 現在は、以下のとおり7つの国になっています。

1 スロベニア共和国(1991年6月独立)
2 クロアチア共和国(1991年6月)
3 マケドニア共和国(1992年3月に完全独立)
4 ボスニア・ヘルツェゴビナ共和国(1992年3月に独立を宣言・内戦後、1995年12月和平に調印)
5 セルビア共和国(2003年に「セルビア・モンテネグロ」として共同国家を維持。2006年モンテネグロ共和国の独立にともないセルビア共和国)
6 コソボ共和国(2008年2月独立)
7 モンテネグロ共和国(2006年分離独立)

 このうち、マケドニア共和国が、国名で、一悶着ありました。

 古代ギリシャのマケドニア王国に由来するマケドニア地域はギリシャにもまたがっていて、マケドニア王国を率いたアレクサンダー大王はギリシャ人の誇りでもあります。

 マケドニア共和国は、ユーゴスラビアから1991年に分離独立したのですが、ギリシャから「マケドニアはギリシャだ」というクレームがつき、1993年、以下の暫定名称で国連加盟しています。

 Former Yugoslav Republic of Macedonia(マケドニア旧ユーゴスラビア共和国)

 ギリシャは、国名問題を理由に、マケドニアの北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)への加盟を阻んできました。

 しかし、マケドニアは、バルカン半島におけるロシアの影響力拡大を懸念する米国やEUから妥協に応じるよう求められており、解決に向けて進んでいます。

 マケドニアのザエフ首相は、首都スコピエで、平成30年2月6日、国名をめぐるギリシャとの対立解消に向け、マケドニア国名変更について「受け入れる準備がある」と記者団に語りました。

 平成30年2月24日、首都スコピエ郊外にある「アレクサンダー大王空港」の名称を、「スコピエ国際空港」としました。

 たかが名前、されど名前ですね。


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