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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

職業病

 「君の膵臓をたべたい」という映画がテレビで放映されていました。

 ネタバレがありますから、映画を観る予定のある人は、これ以降の分は読まないで下さい。

 エンディングは、膵臓疾患により余命幾ばくもないヒロインが、最後の外出許可で、男子の同級生と旅に出ようとしたところ、通り魔により、殺害されるということでした。

 いつまで待っても、ヒロインが待ち合わせに来ないのは、病状が急に悪化して救急搬送されたと普通考えるところですね。

 「甘えていた。この期に及んで僕はまだ甘えていた。残り少ない彼女の命だけは世界が甘やかしてくれると信じきっていたんだ。残り時間の少ない彼女には明日があるものだと、彼女の命は残り少ないのだからそこまでは必ず生きられると当然のように思っていた。世界は差別をしないんだ」

 「病気うんぬんのまえに、人はいつ死ぬかわからないから、今を大切に生きろ」ということのようです。

 それはともかく、膵臓疾患は、膵臓がんか、あるいは他の病気かという疑問があります。

 膵臓疾患が何であっても、ヒロインに黄疸の出るシーンがないのが不自然といえば不自然です。

 もっとも、映画ですからね。

 といいながら「犯罪被害者等給付金支給法」のことを考えてしまいました。

 犯罪による被害者ないし家族が実際上、損害賠償を受けられず、悲惨な事態にあるのを救済するため、国が加害者に代わって損害を填補する制度です。

 多少死期は早まったとしても、通り魔による殺人ですから、遺族給付金はでることになります。病死だと出ません。

 遺族給付金は、被害者が生前得ていた勤労収入(日額)を基準に、被害者の死によって遺族の生計維持がどれほど困難になるかを考慮して計算され、最高額2964万5000円、最低額872万1000円、収入はありませんから、872万1000円でしょうね。

 余命わずかの若い高校生が、通り魔に襲われて死亡したら、犯罪被害者等給付金支給法に基づく給付があるのかどうか考えてしまうのは職業病でしょうか。
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