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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

長生きのリスク

 最近「長生きするリスク」という言葉がはやっています。
 「下級老人」という言い方もよくされます。
 「長生きするリスク」とは、「死亡する前に資産が尽きてしまう」というリスクです。
 もちろん、年金が十分あればよいのですが、ごく少数です。

 現在ほど、長生きが「リスク」となった時代はありません。
 リタイアから20年以上の余生を想定した社会は、世界各国、また、どの歴史をみてもありません。

 日本では実質的な退職年齢が60歳、継続雇用を行ってもほとんどの人が65歳でリタイアを迎えています。
 65歳の男性の平均余命は約20年、女性は約25年ですからそれぞれ85歳、90歳になります。

 しかし、平均余命はあくまで平均ですから、一部の人は、さらに長寿です。

 生存率でみると、男性は22%が90歳まで、女性は23%が95歳まで生きるとされます。
 おおむね2割の人は平均を5年以上長生きすることになります。

 たかが5年と思っていても、年金より支出が年200万円くらい上回っていれば、1000万円になります。

 かといって、1000万円貯めておいても使わない(つまり早く亡くなる)可能性もありますし、もっと長生きして不足する可能性もあります。

 きんさんぎんさんが、100歳になってメディアに出演するようになって大金が入ったとき「お金を何に使いますか?」という問いに対して、2人揃って「老後の蓄えにします」とユーモアで答えました。

 日本の公的年金の額は知れています。

 いつまで経っても、日本人は「貯蓄」「貯蓄」ですね。


 日本銀行の「資金循環統計」によれば、令和元年12月末の日本の家計金融資産残高は約1800兆円です。

 2人以上の世帯が保有する金融資産の約70%は、世帯主が60歳以上の世帯で保有されています。
 貯蓄残高から負債残高を差し引いた純金融資産では、約90%が60歳以上の世帯主の世帯で保有されています。

 日本の家計金融資産の多くは、60歳以上の高齢者が保有していることになります。

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