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2020年バックナンバー

雑記帳

NY原油先物、初の価格「マイナス」

 令和2年4月20日のニューヨーク原油先物市場で史上初めて原油価格(WTI)がマイナスとなりました。
 
 具体的には、令和2年5月ものの先物です。
 
 令和2年5月物は、令和2年4月21日に取引を終えたとします。
 
 たとえば、20日の価格(マイナス37.63ドル)で新たに1000バレル買い、そのまま取引終了を迎えると、同量の原油とともに3万7000ドル(約400万円)の現金を受取ることができます。
 
 売り手なら、逆に400万円を支払って原油を引取ってもらいます。
 
 通常では考えられない事態ですね。
 
 理由は需要激減と原油保管スペースの枯渇です。
 
 アメリカでは新型コロナウイルスの影響で移動規制が行われる中、輸送用エネルギー需要が大きく落ち込み、在庫が急増しています。
 
 原油の受け渡しに使う取引所の倉庫は満杯に近く、「マイナスの価格は原油の貯蔵コストを意味する」ということですね。
 
 現物の受け渡しが行われるオクラホマ州(内陸週です)は貯蔵能力の限界に近付いていて、売り手は在庫を捌きたい一方、買い手は価格がいくら下がっても在庫を貯蔵する能力を有していない状況になっています。
 
 海上付近であれば、タンカーによる一時保管といった選択肢もあるが、オクラホマ州ではその選択肢はありません。
 
 ちなみに、「マイナス原油価格」が実現しているとは言え、これはNY原油先物の5月限に限定された動きに過ぎません。
 令和2年6月分以降は20ドル台という安値圏ではあるがプラスになっています。
 
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