本文へ移動

2018年バックナンバー

雑記帳

日本、韓国をWTO提訴へ 造船補助金は違反

 政府は、平成30年11月6日、韓国が自国の造船業界に過剰な補助金を支給しているのは国際的な貿易ルールに違反しているとして、世界貿易機関(WTO)提訴に向けた手続きとなる2国間協議を同日中にも韓国に要請する方針を固めました。

 

 協議は決裂し、提訴に発展する公算が大きいとみられています。

 

 国土交通省によりますと、平成27年に、韓国の勧告の大宇造船海洋が経営難に陥った際、韓国は1.2兆円規模の金融支援を実施して救済しました。
 その後も、受注拡大のための、支援を継続しています。

 

 破綻すれば下請けを含めてどこまで波及するのか分からないくらいに雇用が脅かされます。造船の島・巨済島ではリストラが進んでいます。

 

 ムンジェイン大統領は、公的資金を投入し続ける一方で「公的資金で支援するから年に3000人ずつ雇用するように」と言っています。

 

 本来、1.2兆円の資金援助をしなければ生き残れない造船会社は、とっくの昔に倒産しているはずです。
 それを、大量の雇用が失われるとして、韓国をあげて多額の公的資金を投与して生延びさせ、安値受注をして、赤字分を、公的資金で埋めるという操作をしています。

 

 これが、ただでさえ供給過剰となっている造船業界の国際的な安売り競争を招いているとして、WTOのルールに違反していると判断されたというわけです。

 

 不服を繰返しているのは、日本とEUで、同じダンピングをしている中国は、韓国を非難していません。

 

 平成30年10月24日には韓国・ソウルで国交省と韓国産業通商資源省の局長級会議がありましたが、韓国側は見直しを拒否しています。

 

 石井啓一国交相は、平成30年11月6日の閣議後会見で「韓国の公的支援は市場を歪曲し、造船業における供給過剰問題の是正を遅らせる恐れがある。局長級会議で友好的かつ迅速な解決を訴えたが韓国はこれまでの説明を繰り返した」と批判しました。

 

 そこで、政府は、韓国が自国の造船企業に国際ルールに違反する過剰な公的支援を行っているとして、世界貿易機関(WTO)に近く提訴する方針を固めたということですね。

 

 政府は韓国に2国間協議を求める予定で、協議が物別れに終わればWTOに対し、裁判の一審に当たる紛争処理小委員会の設置を求める方針です。

 

 WTOを通じた紛争解決は通常2年ほど要しますから、韓国政府は、時間稼ぎをしてくるでしょう。

 

 なお、日本がWTOに提訴し、あるいは、提訴の前の協議をしている案件は、他に3つあります。

 

 経済産業省・韓国による日本産水産物等の輸入規制に関するWTOパネル報告書の公表について(平成30年2月23日)
 

 パネルは、以下のように判断し、韓国にWTO/SPS協定に従って措置を是正するよう勧告しました。

 

(1)8県産水産物の輸入禁止
 パネルは、韓国による8県産水産物の輸入禁止措置に関し、日本が輸入禁止措置の解除を求める28魚種(注)について、「同一又は同様の条件の下における恣意的又は不当な差別」(SPS協定第2条3)に当たり、また、「必要以上に貿易制限的」(同協定第5条6)であると判断しました。

(2)日本産の全ての食品に関する追加検査要求
 パネルは、韓国の日本産全ての食品に関する追加検査要求について、「同一又は同様の条件の下における恣意的又は不当な差別」(SPS協定第2条3)に当たり、また、「必要以上に貿易制限的」(同協定第5条6)であると判断しました。

 

(3)措置の不公表及び情報提供の欠如
 パネルは、韓国による8県産水産物の輸入禁止及び日本産の全ての食品に関する追加検査要求について、利害関係を有する加盟国が知ることのできるよう速やかに公表することを確保する義務等(SPS協定第7条等)に整合しないと判断しました。

 

 韓国は、東京オリンピック開催決定の前日に、輸入禁止措置をとりました。
 IAEAは、人体に影響を与える放射能汚染はないとしています。
 韓国は上訴しています。

 

 経済産業省・韓国による日本製空気圧伝送用バルブに対するアンチダンピング課税措置がWTO協定違反と判断されました(平成30年4月12日)
 

 パネル報告書は、以下のように判断し、韓国によるアンチダンピング課税はアンチダンピング協定に違反すると認定し、韓国に対して措置をアンチダンピング協定に適合させるよう勧告しました。

 

1 韓国による本件措置の決定は、ダンピング輸出による韓国国内産業への損害・因果関係の認定に瑕疵があり、アンチダンピング協定第3.1条及び第3.5条に整合しない。
2 本件措置は、手続面でも、秘密情報の取り扱いに不備があり、アンチダンピング協定第6.5条及び第6.5.1条に整合しない。
3 他方、アンチダンピング協定第3.1条、第3.2条、第3.4条の解釈その他に関する日本の主張の一部は認められないか、パネルの付託事項の範囲外であるため、判断しない。

 

 韓国は上訴しています。
 ちなみに、日本の全面勝訴ではありませんが、実質日本の勝訴であり、日本は上訴していません。


 経済産業省・韓国による日本製ステンレス棒鋼に対するアンチ・ダンピング措置についてWTO協定に基づく協議を要請しました(平成30年6月18日)
 

 本日(6月18日)、我が国は、韓国が平成16年7月以降約14年の長期にわたり課税を継続している日本製ステンレス棒鋼に対するアンチ・ダンピング措置について、WTO協定に基づく協議を要請しました

 

 韓国は、平成16年から、日本製ステンレス棒鋼に反ダンピング関税を適用しています。
 WTO規則では、反ダンピング関税は発動から5年以内に終了しなければなりませんが、韓国はダンピング行為が再発する恐れがあるとして課税を続けてきました。

 

  ステンレス棒鋼は自動車部品の生産に使われている。経済産業省によると、韓国がステンレス棒鋼に反ダンピング関税を課したことで、賦課前に比べて日本の輸出が約4割ほど減少しています。

 

  韓国の反ダンピング関税率は15.39%で、平成29年6月までの課税総額は約49億円に達することが分かっています。


 造船補助金を理由とするWTO提訴は、規模と中身が、一番大きいですね、

 

 徴用工裁判の判決とリンクしていると考えられます。

 

 以前から、EUと日本は「公的資金注入は貿易を直接支援しているも同然だ」と韓国に抗議してきました。
 韓国は、それを無視し続けました。

 

 最近になって、韓国の非関税障壁やダンピングなどWTO違反について、日本側がWTOに提訴するようになっています。

 

 提訴をためらわなくなったのは、日韓関係が望ましい位置に向かいつつあることを示しています。

 

 もとより、徴用工裁判で韓国政府がとるべき措置をとればWTOへの提訴をやめるというような性格のものではありません。

 

 日本が、韓国を突放す動きとしていることを知らしめる意味で、いいタイミングですね。

西野法律事務所
〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満2-6-8堂ビル407号
TEL.06-6314-9480
FAX.06-6363-6355
 
お気軽にご相談下さい

電話による法律相談は行って
おりません(土日祝日休)
9時~12時 1時~5時30分
TOPへ戻る