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2018年バックナンバー

雑記帳

非弁提携

 大阪地方検察庁特捜部は、平成30年12月6日、弁護士資格がない事務員の非弁行為に関与したとして、弁護士法違反の罪で弁護士法人「あゆみ共同法律事務所」(東京弁護士会)、高砂あゆみ弁護士(東京弁護士会)、古川信博弁護士(大阪弁護士会)を在宅起訴しました。
 
 あわせ、借金減額シミュレーター「街角相談所」を運営していた「HIROKEN」、山本健二元役員を起訴しました。
 
 非弁提携により起訴されたり、懲戒されたりする弁護士さんは、高齢のため仕事をすることが難しくなり、悪徳業者に名義を貸して、債務整理を業者の従業員にさせ、業者から金をもらうというパターンが多かったのですが、若い弁護士さんも、非弁提携に手をそめるようになったのですね。
 
 高砂あゆみ弁護士(33歳。東京弁護士会)は新65期の弁護士、古川信博弁護士(31歳。大阪弁護士会)は新68期の弁護士だそうです。
 
 弁護士法72条には、以下のとおり定められています。
 「 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない」
 
 罰則は、弁護士法77条に定められていて、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金です。
 
 弁護士でない人が、お金を受け取って法律事務等を取り扱うと、専門的知識の不足等により市民の権利が害される恐れがあります。
 
 そのため、弁護士でない人が行う一定の法律事務等については、弁護士法72条で禁止されています。
 
 なお、確定申告などの税務について税理士が、不動産登記や会社設立について司法書士が、車庫証明や外国人の在留関係の書類を行政書士がするのは、弁護士法72条の「この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない」に該当します。
 
 また、認定を受けた司法書士が、140万円以下の法律事務を行うことも合法となっています。
 
 なお、離婚などの家事事件は、司法書士は代理人となれません。
 
 弁護士には、通常、事件を紹介しあったり、共同で仕事をしたりする、税理士、司法書士、行政書士がいます。
 できるだけワンストップサービスを受けてもらうためです。
 
 もちろん、紹介したり、紹介してもらうときは、紹介料は1円ももらいませんし、1円も支払いません。
 
 
 65期の弁護士さん、68期の弁護士さんは、刑事罰を受けるだけではなく、弁護士会の懲戒も受けることになります。
 
 非弁提携は、結構重く、除名や退会命令になることもあります。
 ただ、年齢を考えると、長期の業務停止ですんで、法曹資格剥奪ということにはならないかとは思います。
 
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