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外国事情 バックナンバー2/2

紙幣の肖像

韓国で、5万ウォン札が発行されるそうです。
 5万ウォン=約3750円ですが、韓国では最大の価値の紙幣だそうです。
 朝鮮時代の女性芸術家である申師任堂(シン・サイムダン)が描かれています。
 韓国で女性が紙幣の肖像になるのははじめてだそうです。

 日本で、女性の肖像が日本銀行券の表に初めて登場したのは、神功皇后(三韓征伐の神話のヒロイン)、次が、樋口一葉像の5000円紙幣です。
 なお、2000円札の裏面には紫式部が描かれています。

 ちなみに、私がドイツ留学していたときには、20マルク札にアンネッテ・フォン・ドロステヒュルスホフ(Annette von Droste-Huelshoff)、5マルク札には、ベッティーナ・フォン・アルニム(Bettina Von Arnim)が描かれていました。どちらも貴族の家系です。そうでもなければ、肖像画はありませんね。

 なお、英ポンドのエリザベス2世は、有名ですね。
 ユーロ札は、各国共通、人物画はありません。
 ただ、コインは、各国が自由に選択でき、ベルギーのコインの裏は「ベアトリックス女王」です。フランスの5セント、2セント、1セントの裏には、フランス共和国を象徴する「マリアンヌ」の肖像画が刻まれています。

 男性は「ひげ」がある肖像が多く、「ひげ」のない女性より、偽札がつくりにくいといわれていましたが、見た目だけではなく、透かしや、特殊光をあてたときの反射により、真札かどうか判断できるようになり、肖像画は、男性、女性どちらでもいいようになりました。
そうなれば、天の半分を支える女性が肖像になったお札ができても不思議ではありません。

 いずれにせよ「男尊女卑」の儒教の影響下にある韓国が、最高額紙幣の肖像に女性を持ってきたのは英断でしょう。

 なお、10万ウォン札も、発行が検討されていたそうですが、テロリストにすぎないとの批判もある金九(キム・グ)が肖像になっていたり、裏面の古地図に、竹島(韓国名・独島)が描かれていなかったりしたため無期延期になっているそうです。

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