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トリビア バックナンバー 2/2

有効数字

 

 「有効数字」という言葉をご存じでしょうか。

 数学ではなく、理工学で扱う数値は多くの場合測定値です。
 測定方法によって精度が決まっているということは、逆にいえば、つまりある程度の誤差を含んでいるということです。

 「1.1200」の場合には小数点以下第4位の「0」までが意味のある測定値であるあることを示します。「1.12」の場合には、小数点以下第2位の「0」までが意味のある測定値であるあることを示します。
最後の桁がゼロだからといって書くのを省略してしまうことはできません。

 このように測定によって得られた意味のある数値のことを「有効数字」と呼びます.

 「1.1200」の場合には有効数字は5桁、「1.12」の場合には有効数字は3桁となります。


 有効数字は、掛算や割算の場合はどうなるのでしょう。

 掛算や割算の場合には、計算結果の有効桁数は最も有効数字の少ない数値の有効桁数と等しくなるとされています。

 なお、円周率πは、3.141592653589793238462643383279・・と永遠に続きます。日立製作所が製作し、東京大学 情報基盤センターに納入したスーパーコンピュータ(2TFLOPS)が、円周率計算において約1兆2400億桁の世界記録を樹立しているそうです。

 ただ、もともと誤差のある数字と組み合わせられることが多いですから、ほとんどの目的には、3.14や22/7の近似値を使うことが多く、これで十分だそうです。
 本当かどうか知りませんが、アポロ計画の時の円周率は、有効数字が3桁、3.14が使用されていたそうです。
 もっとも、測量技術の進歩により、技術系では3.1416などを使用することが多く、天気予報や人工衛星などの計算では30桁程度の値を使用していることが多いそうです。


 次に、足算と引算の有効数字はどうでしょう。

 足算と引算の場合には、小数点を揃えて計算をし、最後の桁の位取りが最も高いものに合わせて有効数字を決めることになります。
 やはり、有効数字の桁数が少ないのにあわせるが正しい結果とされています。

 自己破産や個人民事再生などの場合に提出を求められる家計収支表は、家賃、電気代・電話代・ガス料金・水道料金などの公共料金、保険料など円単位で計算できるものの他、食費、外食費、交際費など、大体、何万円、何万何千円で計算されるものが混ざっています。

 有効数字という点からすると、食費5万円(万未満4捨5入)というのが、4万5000円から5万4999円までの数字ですから、あまり、電気代・電話代・ガス料金・水道料金などの公共料金、保険料など円単位まで計算することには、数学的な意味がないというような気がします。
 ただ、食費、外食費、交際費などが丸い数字だからといって、電気代・電話代・ガス料金・水道料金などの公共料金、保険料などを丸い数字にすると、弁護士や法律事務所事務員は、裁判所から「何やっているんですか」とたしなめられます。

 もともと、破産や個人民事再生などの申立てをする人は、安易にお金を借りるなど、金銭感覚が甘く、「いい加減」に書くと言うことが問題なのであって、それを「強制的に」「矯正」しようというのが目的の一つでもあるんですね。
 家計収支表の作成も、それが目的ですから、電気代・電話代・ガス料金・水道料金などの公共料金を、領収証・銀行預金残高に基づかず、「いい加減」に書いていたのでは意味ありません。

 そのような例外を除けば、食費5万円と丸い数字(万未満4捨5入)を書いておいて、他を円単位まで計算することは、あまり意味がありません。 

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