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司法 バックナンバー 3/3

都道府県名の記載の必要性

委任状などに住所を書いてもらおうとすると「どこから書きましょうか」と聞かれることがあります。
 具体的には、「大阪府大阪市」から書きはじめるか、「大阪市」から書きはじめるか、どちらがいいでしょうという質問です。

 一般的には、都道府県庁所在地の「市」と政令指定都市は、都道府県名を省略して書いてよいとされています。
 「大阪府大阪市」くらいなら書くのも簡単ですが、「鹿児島県鹿児島市」や「和歌山県和歌山市」などとなると、手数も「ばか」になりません。

 なお、同一の「市名」は、原則としてつけないようにしているらしいのですが(埼玉県に狭山市があるので「大阪狭山市」、和歌山県に田辺市があるので「京田辺市」など)、例外もあります。
 東京都にも広島県にも「府中市」があるのは有名ですし、他にも、北海道にも福島県にも「伊達市」があるようです。
 逆にいうと「府中市」「伊達市」以外は、「市名」から書き始めても、特定という観点からすると十分ということになります。

 ちなみに「町村」レベルになると、「都道府県名」+「郡名」が前につきます。 池田町など複数の町名はざらにあります。
 これらの場合「都道府県名」「郡名」、最低「郡名」は必須でしょう。

もっとも、大阪地方裁判所に提出する委任状に、「大阪府枚方市」や「大阪府豊中市」と書いてもらうのは、少し「ばからしい」気がしますので、「枚方市からで結構ですよ」などと言いますが、東京地方裁判所に提出するなら、「大阪府枚方市」と書いて下さいと言うようにしています。

 ちなみに「尼崎市」は、どの都道府県かご存じですか。
 正解は、もちろん兵庫県ですが、近畿地方以外の方は、大阪府と勘違いしている方が結構おられるようです。市外局番は、大阪市などと同じ「06」ですし。

 関東の弁護士さんから、「神戸地方裁判所尼崎支部 御中」ではなく「大阪地方裁判所尼崎支部 御中」という訴状が、尼崎支部に届いたという笑い話もあります。

 また、「旭川地方裁判所」「函館地方裁判所」「釧路地方裁判所」にも、「札幌地方裁判所旭川支部」「札幌地方裁判所函館支部」「札幌地方裁判所釧路支部」などと、勝手に「支部」をつくって郵送する弁護士さんがいるそうです。

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