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2012年バックナンバー

刑務所の所在地

務所の受刑者脱走事件で、中国人である李国林受刑者が、脱走して大騒ぎになりました。
 結局、逮捕されて「事なき」をえましたが、近隣住民の「恐怖」は大きかったでしょう。

 ニュースを見て「なぜ刑務所が市街地の真ん中にあるのか」と不思議に思った方もおられるかも知れません。

 たいていの刑務所は、市街地にあります。
 自分の家の近くに刑務所の建設計画があると、反対運動が起こるのに何故でしょうか。

 刑務所ができた当初は、市の中心部から離れた位置に刑務所を設置します。
 広島刑務所も明治時代に設置されました。
 後から、刑務所の近辺にも住宅が建ち、商店ができ、学校や幼稚園などができて、結果的に、刑務所の回りを住宅地が取囲んだというのが真相のようです。

 私の職業柄、裁判官時代のわずかの期間、弁護士となって刑事事件をしていたころは、刑務所に出張することがありました。
 最初は「なぜ、刑務所が、こんな市街地に?」と思ったこともありましたが、刑務所が建築された当初は、少なくとも市の中心部から離れていたものが、市の人口が増えるとともに、刑務所を包込むようにして住居地域が周辺へ周辺へと発展し、結局、刑務所が「市街地」にあることになったというのが真相のようです。

 「刑務所は市街地の中になければならないのか。山間部でもいいのではないか」という声も出るのですが、「自分たちは後から住着いたので仕方ない」ということですね。

 また、刑務所は、看守などが勤務し、服役者との面会の便宜、服役者が怪我や病気をしたときの病院への搬送を考えると、「とんでもない」土地につくるわけにもいきません。

 刑務所の移転候補地にも人が居住していて、そこに居住している人からすると、刑務所移転などは「とんでもない話」です。

 刑務所が、服役囚が逃走することのないように、万全の警備をはかることが大切ということになります。
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