本文へ移動

2013年バックナンバー

泉北高速鉄道と初乗り運賃

大阪府が提出した、泉北高速鉄道を運営する第三セクターの株式を米投資会社に売却するための関連議案が、平成25年12月16日の府議会本会議で否決されました。


 泉北高速鉄道は堺市、和泉両市を走り、府の第三セクター「大阪府都市開発」(OTK)が運営しています。

 大阪府都市開発(OTK)は、トラックなどの物流施設の経営のほか、大阪・泉北高速鉄道を運営している。大阪府が49%、関西電力と大阪ガスがそれぞれ18%を出資している会社です。

 大阪府は平成25年12月5日、公募で約780億円を提示した、米投資会社ローンスターと株式売却契約を締結する議案を議会に提出しました。

 大阪府都市開発(OTK)の売却をめぐっては、財政再建のために筆頭株主の大阪府が売却のための入札を行い、11月に米投資ファンドのローンスターが780億円を提示し、優先交渉権を得ていました。
 ただ、実際の手続きを進めるには大阪府議会の本会議で可決される必要がありました。

 ローンスターは大阪府と仮契約を締結していたため、大阪府の担当者によると大阪府都市開発(OTK)府都市開発の売却は今後ゼロからのやり直しになる。現時点では、売却するか否かについても白紙に戻ることになります。

 単なる金額のみを比較する入札ではなく、購入した場合、泉北高速鉄道の運賃をどうするかという条件も検討されました。

 ローンスター
  780億円。接続する南海高野線への乗継運賃10円値引き
 南海電気鉄道
  720億円。接続する南海高野線への乗継運賃80円値引き

 泉北高速鉄道の利用者にとっては、南海電気鉄道が有利です。
 ただ、財政難の大阪府としては、60億円の差は大きいです。

 結局、堺市、和泉両市議会や、鉄道沿線選出の議員を中心に異論が続出し、また、外資が鉄道経営に参入することへの反対意見もあり、あっさりと否決されました。


 確かに、なんば・和泉中央間の27.7kmが620円というのは、高いですね。
なんば・泉佐野の34.0kmが580円にすぎません。
 なんば・林間田園都市の39.2kmで、やっと、620円になります。

 泉北高速線単独でキロ当たりの運賃を考えるとそれほどでもないのですが、南海と運賃が合算されるため、割高になってしまいます。
 「初乗運賃」が、南海と泉北高速線と、二重にとられるということが理由です。

 鉄道利用者としては、泉北高速は南海の支線のひとつにすぎない感じですから、なおさらのことですね。

 もっとも、ローンスターとしては、10円割引ですから780億円を提示したのでしょう。


 ちなみに、大阪府のニュータウンとしては千里ニュータウンがありますが、ここにも地下鉄御堂筋線と直通している北大阪急行があります。
 ここは泉北高速よりも随分安い運賃です。
 理由は、大阪万国博覧会のメイン交通手段となったことで、建設費をさっさと回収出来たことが大きいようです。
TOPへ戻る