よもやま話 バックナンバー1/2
お客様の声
法律相談や受任を予定していないホームページがあります。
「ホームページくらいもたないと信用されない」という考えが、弁護士業界でも一般化してきました。
法律相談の予約や、「費用」などの記載はありません。
法律相談や受任を予定しているホームページがあります。
法律相談の予約や、「費用」などが記載されています。
いずれにしても、弁護士のホームページのうち、最もよく使用されるのは「法律事務所」の地図といわれています。
また、弁護士のホームページを、最も注意深く見るのは「訴訟の相手方本人」ともいわれています。
注意していただいて比較されるとよくわかりますが、弁護士のホームページには、一般のホームページと違って「お客様の声」が掲載されいるのは「まれ」です。
1つには「守秘義務」があります。
刑法134条には、以下のとおり定められています。
「医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する」
弁護士法23条には、以下のとおり定められています。
「弁護士又は弁護士であつた者は、その職務上知り得た秘密を保持する権利を有し、義務を負う。但し、法律に別段の定めがある場合は、この限りでない」
ということで、現実の事件について、不特定多数が閲覧可能なホームページには掲載できません。
掲載して、懲戒を受けた弁護士さんもいます。
もちろん、ホームページ掲載の同意を得て、「Xさん、○○歳台男性」として記載するのは、債務整理のような「月並みな」「事件」なら問題はないでしょう。
2つ目には「弁護士業は、普通の商売やない」という素朴な嫌悪感があるでしょう。
医師の病院・診療所のホームページと同じですね。
弁護士のホームページに「お客様の声」があるものもあります。
もちろん「やらせ」や「ねつ造」ではないでしょう。
ただ、弁護士が、自分のした仕事について、依頼者から「先生に依頼してよかった」と言ってもらうということは、うれしいものです。
しかし、それを、自分の事務所のホームページに記載することには、「素朴な」「抵抗感」があります。
自分で自分を「ほめる」ようなことですから・・
広告に「お客様の声」を記載するというのは、集客という点からみて「非常に」「効果的」なやり方です。
ホームページなら、スペースも十分あります。
ただ、弁護士が、そこまで「集客」に「徹底」するということは、実際困難です。