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司法 バックナンバー 2/3

いわゆる領海

日本は、陸地だけを見ると、世界で60位の面積を持ちます。何カ国世界に国があるかという問題ですが、国際連合加盟国192ヶ国、バチカン、コソボ、中華民国(台湾)、パレスチナを含めると196ヶ国あります。

 もちろん、北方領土など係争中の領土を含めて計算して、37万7835平方キロメートルですが、次順位(61位)のドイツが35万7021平方キロメートル、日本の係争中の領土(尖閣諸島、竹島は知れてます。大きいのは北方領土です)をカウントしなくても、ドイツの面積を超えていますから、係争中の領土の有無にかかわらず60位といって「概ね」いいでしょうね。

 ただ、これは陸地だけの話で、海も含めるとどうでしょう。

 現在のところ世界の海は、国際法上大きく、領海、接続海域、排他的経済水域、公海の4つにに分けられています。

 まず、領海は、陸地から12海里(約22km)以内の海域のことです。
 沿岸国の主権がおよぶ海域であり、外国船舶がその海域を航行するためにはその沿岸国が定める無害通航に関する法令の遵守が必要です。

 次に、接続海域は、陸地から24海里(約44km)以内の海域のことです。
 沿岸国が、領土・領海の通関上、財政上、出入国管理上、衛生上の法令違反の防止、および、違反処罰のために必要な規制をすることが認められた海域です。

 さらに、排他的経済水域(EEZ。Exclusive Economic Zone)があります。
 陸地から200海里(370km)以内の海域で、沿岸国に経済的な管轄権が与えられていますが、他国の航海に際しては自由通航となっている海域です。
 なお、排他的経済水域においては,以下の権利が認められています。
  1 天然資源の開発等に係る主権的権利
  2 人工島、設備、構築物の設置および利用に係る管轄権
  3 海洋の科学的調査にかかる管轄権
  4 海洋環境の保護および保全に係る管轄権

 領土と排他的経済水域を加えると、日本は世界の6位になります。
 日本は、世界で「天然資源の開発等に係る主権的権利」について6位の面積を持っています。

 さて、日本政府は、平成21年11月6日、日本最南端の無人島、沖ノ鳥島(東京都小笠原村)に港湾施設を設ける方針を決めました。

 沖ノ鳥島は、満潮時の高さ、幅ともに数メートル程度の2つの小島を環礁が取り囲む。船舶の接岸施設はなく、上陸するには沖合に停泊し、ボートで島に近付くしかありません。
 これを、環礁部分に船舶が接岸できる港湾施設を建設し、島の護岸管理や海洋調査の拠点とする方針です。

 他の国が、沖ノ鳥島の領有権を主張しているわけではありませんが、「島」と判断されれば、排他的経済水域が認められ、「岩」としか認められなければ、排他的経済水域が認められません。
 現在、「岩」と主張しているのは中国だけです。
 これを封じようと言うことですね。

 中国政府が、沖ノ鳥島を「岩」と主張しているのは、沖ノ鳥島周辺にはレアメタル(希少金属)などの海底資源が存在するということです。
 日本政府としては、沖ノ鳥島を「島」としての立場を強固にする目的です。

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