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司法 バックナンバー 1/3

捜査方法の進歩

最高裁判所・司法研修所は、平成22年4月22日、「科学的な証拠を刑事裁判でどう扱うか」をテーマに研究を始めることを決め、現職の裁判官3人とDNA型鑑定を専門とする学者1人に研究を委嘱しました。

 再審無罪が確定した「足利事件」でDNA型鑑定結果への過信が誤判の一因になったことなどを受けた結果といわれています。

 捜査方法は、科学的に進歩してきたといわれています。

 時代劇などを見ると、「下手人」が落としていったと思われる「凶器」や「物」から犯人のめぼしがつけられるというストーリーが多いですね。
 また、定石通り、殺人なら動機がある者を「下手人」の疑いありとして取調べます。
 後は「拷問」も含めた取調べをして「自白」をえるという筋書きです。

 「凶器」はともかく、「物」の場合、「いつ落としたか」が問題なのですが、あまり、気にする様子はありません。
 また、「物」は「真犯人」が、捜査攪乱のため「わざと残した」とするストーリーが多いですね。無辜の人が、番屋に「しょっぴかれて」拷問を受けるというお話です。

 ちなみに、時代劇で「密室のトリック」は見かけません。当然ですね。


 さて、時代が進めば、「科学捜査」の登場です。

 「血液型」で犯人が特定されることがあります。「血液型」とはいいますが「血液」が一番検査しやすいだけで、頭髪や爪や皮膚からも血液型がわかります。もっとも「犯人でない」ということがわかっても、「犯人である」ということは証明しにくいですね。
 「指紋」で犯人が特定されることがあります。この世に、2人と同じ指紋をもっている人がいないことから、有力な物証です。
 「足跡」も有力な資料です。履いている靴の種類はもちろん、現在の調査では足跡から対象者のおおよその体型も判別できることがあります。
 拳銃の場合は「弾道痕」ですね。やはり、同じ弾道痕であれば、別の拳銃から発射はされていません。最も、異論はあるようです。
 「毒物」の分析も有力です。毒物劇物は、一般的な、農薬や殺鼠剤と違って、手に入りにくいですし、入手の時身元が確認されてしまいます。同じ毒薬でも、微妙に成分が変わります。ヒ素なども同じで、一種類ではありません。

 ただ、自白が「証拠の女王」であることに間違いはありません。
 犯人しか知り得ない「秘密の暴露」に該当する自白により、凶器や死体が見つかった場合には、自白に信用性が高くなります。

 「DNA型鑑定」、これも「盲信」されていました。
 確率が99.9999812%といわれれば、信じてしまいますよね。
 DNAの研究も進みます。
 冒頭の、最高裁判所・司法研修所が「科学的な証拠を刑事裁判でどう扱うか」をテーマに研究を始めることを決め、現職の裁判官3人とDNA型鑑定を専門とする学者が、研究するというのも時代の流れでしょう。
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