本文へ移動

司法 バックナンバー 1/3

弁護士の時間単価

弁護士の仕事の量は人それぞれでしょう。

 通常は、経験を重ねるにしたがって、仕事の量は増えていきます。

 イソ弁をしているときは事務所事件の仕事で忙しいかもしれませんが、独立直後は仕事が少なくなり、独立してしばらくしてから仕事量が増えていくのが普通のパターンです。
 また、仕事量が増えてくれば、顧問先や有力な紹介者からの事件はともかく、「採算の合わない」事件は「断りがち」になります。また「採算ライン」は、次第にあがっていきます。

 その昔、相手方代理人をしている10年以上先輩の弁護士さんから「こんな小さな事件で、熱心にされると迷惑だ」「西野さんが熱心に書面を出すから、こちらの依頼者から、負けないように書面を出すようにいわれて困っている」「お互いに程々にしないか」と言われたことがあります。
 今、そんなことを言うと、大問題になるかも知れませんが、思えば牧歌的な時代でした。

 確かに、相手方代理人をしている10年以上先輩の弁護士さんの売上げと、当時の私の売上げでは大きな差があったと思います。
 弁護士が仕事に使える時間に大差はありませんから、時間当たりの単価は、当然差があったでしょう。

 いつの間にか、経済的利益が小さい事件について、相手方の若い先生方が、熱心に準備書面を出されるため、こちらも負けじと熱心に準備書面を書かざるをえなくなるような経験年数になりました。
 完全な「採算割れ」パターンです。

 やはり、本音からすると、事件の規模、難易に応じた「熱心さ」で処理してほしいと思うことがあります。
 それが「若さ」なりかも知れませんが・・

TOPへ戻る