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司法 バックナンバー 1/3

カンパン

非常食の定番に「乾パン」があります。

 普段はあまり口にすることがありませんね。備蓄をしていたとしても、試しに食べてみようと言う人はあまりいないと思います。

 パンはあまり日保ちしません。そこで当時食物を長期保存するために「乾燥させる」という技術を利用するようになります。
 ビスケットとは、まさしく乾燥させたパンです。ですから、乾パンとビスケットは
同種のものということになります。少し、レシピが違うようですが、詳しくはわかりません。
 概ね賞味期限は5年くらいのものが多いようです。

 ビスケットは、西洋において、最初は狩猟用などの携行食、後に、戦時の携行食として発達しました。
 日本陸軍も、乾パンを採用し、自衛隊へと引継がれています。
 海軍は、「野戦」ということが、あまりありませんから、普通のものが食べられていたそうですが、補給が大変なので、肉じゃがやカレーライスが定番のようです。


 話は全く変わって、法律関係者が「カンパン」というと、簡易裁判所判事のことを指します。
 「蔑称」という意味合いもありますから、あまり公式の場では出ません。

 簡易裁判所判事として働いている裁判官は、基本的に、司法試験に合格していない裁判官です。
 つまり、大抵は、書記官として勤務成績がよい人、書記官で難しい試験に合格した人で、地方裁判所や家庭裁判所、もちろん高等裁判所や最高裁判所で仕事をするわけにはいきません。

 簡易裁判所は、扱える金額が小さいですし、難しい事件は、比較提起簡単に地方裁判所に事件を移送しますから、それほど問題にはなりません。

 なお、退官しても弁護士にはなれません。

 もっとも、報酬は、判事補などと比べ高級です。

 なお、簡易裁判所の定年は70歳、高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所の判事の定年は65歳ですから、定年前に簡易裁判所判事となり70歳の定年を全うする高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所の判事もおられます。

 弁護士から見れば、訴訟式などで違いは、一目でわかります。
 弁護士からすると、一方は、司法試験に合格している仲間、大多数は、司法試験に合格していない、その意味で格下でいいますと、いずれにせよ、立場上、権限は大きいです。
 弁護士からすると、少し危なっかしい気もするのですが、140万円以下の訴訟ですから、勝訴しても敗訴しても、弁護士の報酬という点では、いずれにせよ意味がありません。それより、地方裁判所に控訴させられる手間がかないません。

 さらに、大きな簡易裁判所には、簡易裁判所事務司掌者として、一線の判事が統括することがあります。

 ちなみに、判事補は、3年たつと、簡易裁判所の兼務辞令を受けて、簡易裁判所の仕事をすることがあります。また、判事は、兼務辞令がなくても簡易裁判所の仕事はできますが、兼務辞令を受けることもあります。

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