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トリビア バックナンバー 1/2

一兵卒

 「一兵卒」という言葉があります。

 辞書を引くと「一兵士」という意味と、「ある活動をする大勢の中の一人として、下積みの任務に励む者」という2つの意味があります。

 もともと、軍隊用語ですね。
 軍人(servicemen)は、将官、佐官、尉官、下士官、兵に大別されます。

 一応、自衛隊は「軍隊」かどうかにつき問題がありますから、大日本帝国時代の軍隊でみてみましょう。
 将官は、大将、大将、中将、少将です。なお、元帥は、元帥府に列せられた大将で、元帥刀ををもちました。
 佐官は、大佐、中佐、少佐です。
 尉官は、大尉、中尉、少尉です。
 下士官は、軍曹、伍長です。 准士官として「見習士官」(「准尉」)がありましたが、厳密には下士官です。
 兵は、上等兵、一等兵、二等兵です。

 国によって、あるいは、時代によって差異はありますが、英語では「general」(将官)「officer」(士官)「soldier」(兵)、ドイツ語では、「General」(将官)「Offizier」(士官)「Soldat」(兵)と分類されます。
 下士官は、「士官」ではなく「兵」の一種です。


 なぜ、軍隊は階級にきびしいかといいますと、指揮をとるのは上官です。上官が戦死したとき誰が指揮をとるのか、あらかじめ決めておかなければ、指揮命令系統が混乱するという切実な理由があるからとされています。

 なお、私も、大阪弁護士会の委員会の委員長、副委員長、委員(実働)などをしていましたが、後進に道を譲るべく、すべて現役を退き、現在は、図書委員のみ「一兵卒」となっています。
 会長や副会長などをつとめた弁護士さんは、何らかの仕事をさせられていますが、大阪のような大きい弁護士会の場合、私くらいの経験年数になると、会長や副会長などをつとめた弁護士さんでもない限り、弁護士会活動は、一線を退き、文字通り「一兵卒」になっていている人が多いですね。

 大阪弁護士会の会務は「団体戦」ですが、弁護士の本来の仕事は「個人戦」です。
 裁判官の定年は65歳です。
 通常の弁護士としての仕事を考えると、55歳という年齢からして、「後進に道を譲る」ではなく「まだまだ一線で働かなければならない」ようです。

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