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債務(借金)問題

債務・借金

保険解約金、親族からの援助金を返済に充ててはいけません

 いよいよ自己破産を決意して、弁護士に相談しようとします。

 何も予備知識がない方は、「お金がないから自己破産をするのであって30万円以上の着手金を準備できるはずはない」「30万円もあるなら破産などしない」という方がおられます。

 最初から、生活保護を受けておられるように、全くお金がなく、また、援助してくれる近親者もない方なら話はもっともです。
 そのような方のためには法律扶助という制度が用意されています。

 しかし、普通の社会生活を営んでいる方なら、解約すれば相当な額になる生命保険があるということが多いですし、親兄弟などから金銭的援助が全く不可能という方は少数のように思います。

 生活費のためにサラ金などから借金をし、借金返済のために別のサラ金から借金をするような多重債務状態に陥っている人が、従前の収入しか見込めない場合は、元金+29.2%という高利のお金を返済できるということはあり得ません。
 つまり、これ以上、まともな業者から借りられなくなった時点で、既に「もう」遅いのです。
 この時点で、破産を選択せざるをえないことが確定しているといえます。

 生命保険の貸付制度や解約をして返済したり、親兄弟や知人友人からもらったり借りたりして、サラ金等への借金を返済することは「無駄」というしかありません。
 破綻時期を「先送り」しているにすぎないからです。

 その時点で、自己破産する決意をすれば、生命保険の解約返戻金で自己破産の着手金をつくったり、親兄弟からの援助で着手金をつくるということは可能なはずなのに、それらの「切り札」を、「目先の返済」のために切ってしまっては、いざ破産というときに、「切り札」を全部使い切ってしまって、自己破産もできないということになりかねません。
 
 弁護士会や地方公共団体での法律相談などで、「お金がないから自己破産をするのであって30万円以上の着手金を準備できるはずはない」「30万円もあるなら破産などしない」と弁護士にくってかかる方がおられます。
 そういう方には、「過去に返済のために生命保険を解約していませんか」「過去に返済のために親兄弟から援助を受けていませんか」と聞くことになります。生活保護を受けているような方には最初から聞きませんが・・
 大多数の場合、答えはイエスです。
 「その時点で、保険解約金や援助金を、借金の返済などという無駄なことに使わず、弁護士の着手金に充てたらよかったのです」、「少なくとも、その時点までに法律相談を受けるべきでした」と答えることになります。

 残酷なようですが、症状が出ているのに病院に行かず、いよいよ病院に行ったときには「手遅れ」だったというのと同じです。
 救いとなるのは、病気の場合、医師から「手遅れです」といわれれば治せませんが、破産の場合は、「もう一度、近親者からの援助を頼んでみる」という方法があるからです。
 全額でなくても、ある程度の金額が用意できれば、残りを分割で支払うことも不可能ではありません。弁護士に依頼した時点から、サラ金等には返済しなくていいわけですから、返済に充てていた分だけ、着手金の分割返済に充てることができます。

 「通常の手段では、もう返せない」と判断した時点で法律相談を受けるべきでしょう。
 生命保険の解約金や、近親者の援助金を、サラ金等の返済に充てるべきでは絶対ありません。

 心配しなくても、サラ金は、慈善事業をしているわけではありません。
 29.2%の高利は、いくらかの貸倒れがあっても、十分採算が合うだけの利率です。
 あなたが破産して、貸金が返ってこないことは「織込み済み」で、少々の貸倒れくらいで採算が合わないのなら、業界に参入してこないか、参入したとしても撤退しています。

 なお、保険の解約、近親者から借りるというのは、まだましなのですが、カードで買ったものを換金してしのぐというのは「最悪の選択」です。
 それ自体犯罪ですし、ギャンブルで借金をつくった場合と同じく、破産手続きにより借金をなくすということ自体が不可能となり、個人民事再生手続きを選択しなければならなくなります。個人民事再生の場合、最低100万円の弁済が必要ですし、破産よりも弁護士費用・実費が10万円程度高くなります。

西野法律事務所
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