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債務(借金)問題

債務・借金

自己破産と裁判所へ提出する書類

自己破産を申立てしたとします。
 破産管財人の費用22万円も出ないという同時廃止事案です。
 裁判所からいろいろな書類が求められます。

 まず、戸籍謄本は必要です。本籍所在地を管轄する市区役所、町村役場で取得します。郵送でもかまいません。
 抄本やコピーは当然不可です。
 なお、発行後3ヶ月以上経過したものは使用できません。

 住民票がいります。世帯全員のはいった住民票でなくてはなりません。住民票所在地を管轄する市区役所、町村役場で取得します。郵送でもかまいません。
 抄本やコピーは当然不可です。
 なお、発行後3ヶ月以上経過したものは使用できません。
 住民票取得の際の注意は、「本籍・続柄が省略されていないもの」と指定しなければなりません。
 といいますのは、自分が自分の住民票をとる場合でもだまっていれば、「本籍・続柄」の省略されている住民票が出てきます。

 賃貸借契約書の提出を求められます。
 裁判所は「何を」知りたいのでしょう
 自己名義の不動産の有無です。
 自宅が自分の所有ではなく賃貸なのに、他に自己名義の不動産があるはずがない、という経験則からです。
 案外、相続未了の死亡した父親や祖父名義の土地があったりしますが、そこまで追求を受けることは、ないようです。
 なお、自分の相続分は、他の相続人が相続してくださいといって、相続登記すると、完全に「ひっかかります」。2年以内に財産を処分した場合は、すべて記載させられます。適正額の対価を受けて、それがわずかで、弁護士費用に充てている場合を除き、免責不許可事由に該当します(破産をしても借金がチャラにならなくなることがあります)。

 現在ある保険の解約返戻金、また、2年前以内解約された保険の計算書が求められます。
 現在ある保険の解約返戻金が20万円を大きく超えれば、22万円プラスとして、破産管財人をつけて、他の財産とあわせ、99万円までの自由財産の拡張手続きをとれば、保険は守れます。
 20万円をわずか超えている場合は、全額、案分弁済の対象となり、解約させられます。
 通常は、弁護士費用を、保険解約でまかなってもらうことも結構あります。
 妥当な金額の弁護士費用なら、裁判所は何もいいません。
 なお、過去の保険の解約返戻金は使途は、別途うかがいます。
 ギャンブルや浪費をしていないかどうかの確認のためです。

 自動車があれば車検証の提出が求められます。「所有者」欄に信販会社の名前が書いてあり、「使用者欄」に債務者の名前が書いていれば、他人の財産なのでいいのですが、「所有者」欄に信債務者の名前が書いてあれば、評価書の提出を求められます。中古屋さんで、名刺にメモしたものでも結構です。

 源泉徴収票(給与所得者)、あるいは、市町村発行の課税証明書2年分の提出が認められます。自営業者は、確定申告書の控え2年分です。確定申告していなければ、課税証明書2年分です。
 裁判所は「何を」知りたいのでしょう
 2年分の収入がわかります。多額の収入があれば大変です。
 「生活苦のため借金した」という言い訳が通用しません。
 あと、生命保険・損害保険の控除欄も見られます。
 現在ないはず、あるいは、2年前までに残っていた保険が、申立書の申告通りかどうかチェックできます。
 結構、漏れている「2年内に解約した預金」が発見されたりします。

 また、預金通帳の提出を求められます。
 「一括記帳」といって、カードだけで出し入れすると、記帳が「出金○○件・合計○○円」「出金○○件・合計○○円」という取引履歴を銀行から取り寄せなければなりません。
 裁判所は「何を」知りたいのでしょう
 収入は、自己申告の職業欄に漏れているアルバイト収入がないかどうか、自己申告の解約ずみ保険に漏れがないかどうか、その他、不審な収入はないかどうかです。
 支出は、まず、無駄な浪費をしていないかのチェックです。
 あと、支払い不能になってから、破産のどさくさ紛れに、一部の債権者(親族・友人など)に返済していないかどうかのチェックもされます。
 現在ないはず、あるいは、2年前までに残っていた保険が、申立書の申告通りかどうかチェックできます。
 結構、漏れている「現存する預金」「2年内に解約した預金」が発見されたりします。


 あと、変わったところでは、電気・ガス・水道・電話など公共料金のレシートが要ります。
 預金振替えにしている公共料金については要りません。
 コンビニ払いのものだけです。
 通帳、コンビニの領収証のどちらも出せなければ、預金振替えにしている「隠し口座」の存在が強く疑われます。
 もちろん、オール電化住宅なら、ガス代の記載のある通帳や、コンビニの領収証はいりませんが、あまり例がないようです。

 自己破産などは、どの弁護士に依頼してもできます。
 しかし、慣れない弁護士に依頼すると、弁護士段階でチェックしておけば、それに応じた対処方法により(たとえば、管財人をつけての自由財産拡張)何の問題も起きなかったのに、弁護士段階でのチェック漏れで、まとまった財産が見つかったときなどは「悲劇」です。裁判所を「だました」制裁で、自由財産の拡張を認められないことすらあるようです。

自己破産は、結構細かくなっています。
 手慣れた弁護士さんに依頼するのが賢明です。
 もっとも、弁護士は、破産の方向(そもそも破産が妥当なのか、破産するにしても、管財人をつけるか、案分弁済をするか、何もせず同時廃止でいけるか)、および、「破産に至った経緯」など重要事項で手一杯です。
 なお、この手のチェックは、事務員が担当することが多いです。担当事務員が、手慣れているかが問題となることが多いようです。

西野法律事務所
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