本文へ移動

債務(借金)問題

債務・借金

企業の倒産の減少

企業の倒産数が減っています。

 平成22年に、法的整理を申請し倒産した上場企業は、平成20年の33社、平成21年の20社から大幅に減少し10社となりました。

 東証一部上場の企業は、1月19日の「日本航空」と、9月28日の「武富士」の2社のみです。
 ただ、企業数では減少していますが、「日本航空」が負債総額約2兆3221億円(グループ3社の合算)、「武富士」が同4336億円ですから、大型倒産が増えていることになります。


 当事務所が「大型倒産」に関与するということはありません。

 せいぜい、負債10億程度までの中小企業の破産や民事再生のみしか申立に関与しません。
 債権者として「債権届けをどうするか」という相談は、結構あります。

 このところ、倒産する中小企業が「減った」というのが実感です。
 しかし「景気が良くなった」という実感はありません。

「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」をご覧下さい。

 3条に「金融機関は、中小企業者に対する信用供与については、当該中小企業者の特性及びその事業の状況を勘案しつつ、できる限り、柔軟にこれを行うよう努めるものとする」と定められています。

 また、4条に「金融機関は、当該金融機関に対して事業資金の貸付けに係る債務を有する中小企業者であって、当該債務の弁済に支障を生じており、又は生ずるおそれがあるものから当該債務の弁済に係る負担の軽減の申込みがあった場合には、当該中小企業者の事業についての改善又は再生の可能性その他の状況を勘案しつつ、できる限り、当該貸付けの条件の変更、旧債の借換え、当該中小企業者の株式の取得であって当該債務を消滅させるためにするものその他の当該債務の弁済に係る負担の軽減に資する措置をとるよう努めるものとする」と定められています。

 なお、期限は平成24年3月末まで1年間延長されています。

 元金据置きで、利子だけ返済するのでよければ、倒産する企業が減少するのは当然です。


 また「中小企業向け制度融資(信用保証付き)」があります。

 「資本または出資の総額が3億円(卸売業1億円、小売業・サービス業5000万円)以下の会社」「常時使用する従業員数が300人(卸売業・サービス業100人、小売業50人)以下の会社と個人」「常時使用する従業員数が 300人以下の医業を主たる事業とする法人(個人の場合は100人以下)」を対象として、大阪府中小企業信用保証協会の保証つきで、経営安定資金が借りられます。

 条件のうちには「最近3ヵ月間の月平均売上高等が前年同期に比べて、3%以上減少している企業、個人」というのもあります。

 融資について、利息だけ払えばいいという交渉ができます。
 そのうえ、売上が3%以上減少したらという条件で、大阪府中小企業信用保証協会の保証つきで、経営安定資金が借りられたら「つぶれる会社は、一体どんな会社だ?」ということにもなります。


 「迎え酒」という言葉があります。

 「二日酔い」の時に「迎え酒」をすると二日酔いの不快な状態から解放される様に思いますが、迎え酒は再びアルコール血中濃度を高める事により感覚を麻痺させることにより、一時的には、二日酔いの不快感を感じにくくなります。つまり、二日酔いをごまかす事ができます。
 しかし、アルコールの血中濃度が下がるにつれ、再び二日酔いの不快感がよみがえるという悪循環を繰り返します。
 迎え酒は、二日酔いの解消には役立ちません。

 これと同じ事をしているような気がします。
 「退場すべき会社」は、本来、早く退場させた方が、本来「傷」は小さくてすみます。
 また、保証協会の損害は税金で填補されるのです。

西野法律事務所
〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満2-6-8堂ビル407号
TEL.06-6314-9480
FAX.06-6363-6355
 
お気軽にご相談下さい

電話による法律相談は行って
おりません(土日祝日休)
9時~12時 1時~5時30分
TOPへ戻る